Oracle for the Villain
ヒーローが全てを救ってくれるハッピーエンドがおとぎ話だと気付いたのはいつだっただろう。
ならヒーローになればいい、と走り回っていたのはいつ頃だっただろうか。
俺はヒーローになれない、悪役になりたいんだ、とグレていたのはいつだったか。
いつからだったろうか、俺が悪人になったのは。
俺は今、死刑前日の囚人だ。
本来なら知らされることのない日程を俺は知っている。
いつからか、俺は未来が
そこからはよくある話だ。
自分が捕まる未来を
神託は絶対だと知っていた。
しかし、抗おうとした。
結果は泥酔した後、目が醒めると周囲に5、6人が流血し、事切れていた。
そして、俺の手には拳銃があった。
かくして予言は成立した。
犯罪のないクリーンな世の中に殺人者は要らない。
即刻、最も重い罰は確定し、囚人になった。
その頃から他人の未来も
俺は慣れない手で本を書くことにした。
「黙して語らぬ叫び」
人々は好奇心と共に本を買い、俺の手元には少量の金が来た。
彼らには現実ではなく、フィクションとして感じられたのだろう。
最早落胆すら感じなかった。
翌日、彼の身長は伸びた。
斯くして予言は成就した。
Deus ex Observe 雨定 @Kiril
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Deus ex Observeの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます