お父さんは味オンチ

宇城和孝

私とお父さん

 やめてよ、と私は言った。

 お父さんがビーフシチューをご飯にかけて食べていたので、普通そんなことしないから、と怒った。

「べつにいいだろ。どんな食い方しようが俺の勝手」


 あれからちょうど一週間。

 部活で帰りが遅くなって、夕飯の時間に間に合わなかった。一人、テーブルに着いてご飯を待っている時に、お母さんに聞かされた。

 お父さんはハッシュドビーフをご飯にかけずに飲んだ。



(了)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お父さんは味オンチ 宇城和孝 @ushirokazutaka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ