読み終えて思わず膝を打ちました。うーん、うまい!!作者は非常に独特な文章を書かれます。一文が長いのです。しかしその書き方がひょっとしたら意図的なのでは、と後半にいくにつれ、思えてきます。言うなれば、句読点を操っているのだと感じました。さらに描写の細かさとキャラの立ち方、そして起承転結の転のうまさ!ぞくぞくする展開に、終始唸りっぱなしでした。読めてよかった!オススメすぎます。未読の方はぜひ一読してひざを打ってもらいたい。
そう思わせるほどの各登場人物の魅力的なこと魅力的なこと。たとえば全てのことが露見したあと「わたし」はどうなるのか。圭子は何を思うのか。そして良知はどんなふうに取り繕うのか。考えれば考えるほど妄想が止まらない最高に淫靡な小説でした。
彼は見下げたい。彼は庇護したい。彼は尊敬されたい、一方的に。彼は癒されたい、手を掛けられたい、労られたい。女性よりも有能でありたいし実際には彼の伴侶より有能というわけでもない。あるいは彼は彼の伴侶に対して好意を持てば持つほど劣等感に苛まれる羽目になるのでは?彼女が妊娠してキャリア的に格が落ちれば彼はまた彼女を愛せるのでは?などと考えましたまる。少なくとも主人公は報われないな……