第59話 耽るとき
「なにがそういうことなんですか・・・」
コートはハンガーにかけて欲しいのに、と思いました。ですが抵抗はしませんでした。すでにこの頃、私は自分の淫らなことを自覚していました。
体を重ねるごとに、私は須藤との行為に溺れました。彼は私の身体を熟知しつつありました。私の知らなかった快い部分を見つけ出してゆくので、彼に開発されるのが心地良くなってゆきました。
この日の須藤は性急な勢いがありました。私はすぐに上半身を露わにされました。脱がされてしまうとまだ少し肌寒いのでした。
彼も上着やシャツを脱ぎすて半裸になり、私を抱きしめ唇を重ねてきました。始まりの儀式のように互いを確かめる口づけを交わすと、やがて屈みこんで私の胸元へ吸いつきました。
いつも私の身体は悦びこたえてしまいます。彼にされることが好きでした。私は喘ぎ、息を乱しつつ彼のひざの辺りへ手を伸ばしました。膝や腰を撫でながら、やがて彼の中心のところへ触れたくなりました。固くなった彼のものを服の上から弄び、もっと触れたくなると、ズボンの中へ手を滑り込ませて遊びました。
須藤はスカートの中へ手を伸ばしてきて脚のつけねをまさぐりました。いつもより早いタイミングでした。腰を引いて一瞬逃げる姿勢になりましたが、もう片方の手でお尻を強く掴まれました。
ストッキングを下ろされ、下着の上からいくぶん荒々しく触られました。いつもはもっと優しいのに、ゆっくりなのにと思いました。気持ちは少し戸惑っていたのに、強引にされても私の身体はこたえていました。やがて彼の触れ方がゆるやかになると、しだいに私は感じやすくなりました。
そっと、少しずつされるほど私は焦れてみだれました。須藤はいつも私が欲しているのを愉しんでいました。
小さな波や細かな波、大きな波に幾度も翻弄されました。すき、と彼に伝えました。彼を抱きしめ何度もそう繰り返しました。感覚が高まるほど狂おしくなって、気持ちいい、と漏らしました。そうすると、この人はますます私が心地よくなるように尽くしてくれるのでした。彼の舌が肩へ、背中へと小刻みに這いまわると、私はのけぞり震えました。
須藤は下着の中へ手を滑らせ私の潤っていることを確認しました。柔らかくなった秘部は生あたたかい蜜を漏らしていました。須藤は触れていた手をこちらへ向け、糸のひく指を眺めて微笑しました。
スカートを脱がされ、ストッキングも下着もはぎとられました。私も彼のズボンと下着を引き下ろしました。
私を仰向けに寝かせ足を開かせると、彼は私の中に入ってきました。たくさん濡らされるほど、痺れるような心地よさに襲われうめきました。とろけて喘ぎながら、すごくいい、と呟きました。貫かれた身体はよろこび、快感に服従し溺れていました。
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