第46話 バスルーム

 実のところ、年の功とも言えるのか、須藤は巧みなようでした。他に比べる人もいなかったのですが、元夫の貴之よりも少しずつ時間をかけて行われるのが好きでした。かつての貴之のそれは雑なものだったように感じられました。


 私はまた感覚のみになってしまって狂おしくなり、アパート住まいだというのに大きな声を出してしまいました。上や下の階の人に声が聞こえていたらと頭をよぎりましたが、止められるものでもありませんでした。


 夢中になっているとお風呂のタイマーが鳴りました。またもや中断されましたが、私はお湯を止めに行きました。


「体を洗いたいので後で来てくれますか。」


 お湯を止めて戻ると、須藤に声をかけました。


「ユリちゃんはゆっくりだから待ちきれないよ。一緒に行こうか。ユリちゃんのことを洗ってあげる。」


 須藤はまた変なことを言い出しました。血を見られたり、においがしたら嫌なので焦りました。赤く染まった汚物を見られるわけにもいきません。


 私は返事もせず、須藤を置き去りにバスルームへ駆け込みました。すでに半裸だったのですぐに服を脱ぐことができました。早く体を洗わなくてはと必死でした。


 急いで体を流していると、須藤も脱衣所まで来ていました。慌てて体を洗ったところで須藤が入って来ました。


「ずるいな、ユリちゃん。なにも逃げなくても・・・」


 須藤はシャワーを掴むと自分にお湯をかけました。それから壁の金具に固定させると私を抱き寄せて唇を貪りました。


 須藤の強引さは時に困惑させられますが、彼にそのようにされるのが嫌いではありませんでした。裸で触れ合うことに安心感と心地良さを見出していました。彼の鍛えられている体つきも本当は好きでした。


 石鹸を手に取り、須藤は私の身体を洗うと言いましたが、やはりいやらしい触り方でした。すでに感じやすくなっていた私は先ほど触れられなかった部分がひどく疼いていました。余裕のない私を須藤は卑猥な言葉でなぶりました。お酒を飲んでいたせいなのか、あるいはもともとそんな傾向があるのか、彼はいつもより意地悪く私を辱めました。お風呂場では絡み合う自分たちが鏡に映ってしまい、一層恥ずかしい気持ちになりました。


 出血はすでに落ち着いている日でしたが、少しずつ赤いものが床に流れ出していました。須藤はかまわず指をあてがいました。彼の指がうごめくと狂おしい快感に苛まれます。血の他にもぬるぬるとした愛液が溢れているのを知り、生理のときもこのような自分はいったい何なのかと思いました。


 やがて私は耐えられず達してしまいました。それをわかっていながらも、須藤は愛撫を続けました。昇りつめた後も攻め続け、何度でも昇らせようとしました。彼に入ってきて欲しくなると、私は自分から言わなくてはなりませんでした。

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