視点移動がお見事でした。間違いなく一気読みしてしまう作品です。現代の家族や兄妹の情景を、まるでマッチに火を点けたときのように、少し不思議に照らします。
全ての兄弟姉妹のいる人に、この物語が突き刺さるかどうかはわからないけれど。例えば、私の場合、性別も違い、仲の良さも違った。だけど、ある一点で噛み合って、この物語はとても強く心に突き刺さった。だから、個人的にこの物語を凄く応援したい。噛み合う要素がある兄弟姉妹のいる人には、同じように強く刺さる、読むべき物語だと勧めたい。
一切の無駄のない文章はまるで詩を読んでいるよう。たったの四話、三千文字あまりで表現されたストーリーで兄妹の心の変遷を見せてくれます。読後感も良いです。サクッと読めますのでお勧めです。そして、タイトルが本当に秀逸ですね。