第11話神の仕事は大忙し?
神の力を授かった俺は、それからというもの、自分がしたいことが、叶ってしまう、ある意味恐ろしい力だ。
しかし、1つ厳しいルールがある。
それは、人の心は絶対に動かしてはいけない。
それを破ると、寿命が半分減ってしまうのだ…例えば、女性に自分のことを好きにさせるなど…。
この力は、人のため、自分の身の回りのことを良くするなどは、できるが、狙っていた女性は振り向かせることは出来ないのだ。
「いろいろ、規約があるんだな…でも、俺がこの力を授かったってことは、何か意味があるってことだよな…。」
俺は、試しに神経を集中してみた。
すると、頭の中に声が聞こえてくる。
「神様、お願いです…息子の病気を治してください。もう一度、話がしたい…元気な姿を見たいんです。」
「10kg痩せれますように…。」
「お願い、太郎が帰って来ますように…。」
色んな人の願いが頭の中で聞こえてくる、これを聞いてしまったが最後。
永遠と、頭の中で声が聞こえているのだ。
俺は、これをどうにかしなければ、夜も寝れないと思い、とりあえず、書類にしてみようと思い手を2回パンパンッと叩くと、部屋いっぱいに紙がドサッと出てきた。
「これじゃぁ、身動きが取れない……そうだ!データ化にしよう!」
俺は、パソコンを取り出し、ホームページを作り、願いがそこに届くように設定した。
すると、頭の中の声は止まったが、通知が止まらない。
「うーん、ミュートだ!そんなに一気にお願いなんて聞けない!みんな神頼みしすぎだ!」
そう言っていると、また、頭の中で声が聞こえてきた。
「涼介くん、君は聞こうとしているか?願いを処理しようとするのではなく、聞こうとするのが大事だ。」
すると、天井が眩しいくらいの光が広がり、白い翼を、持ったおじさんが降りてきた。
「あなたは…まさか、神様では…」
「わしは、君に力を授けた者だ、民の声を聞こうとしてみろ、全部聞いていたらキリがないぞ?」
俺は、言っていることがあまり理解出来ず、聞こうとしてみた。
すると、パソコンを見てみると、通知の速度が落ちている。
「あれ?さっきより通知のスピードが落ちてる。」
パソコンのお願いボードを見てみると、本当に叶えた方が良さそうな、願いしか来ていない。
「そうだ、皆願いは言うが、願うが叶うのは、奇跡なんだよ、グレていた息子が、急に真面目になった、これは奇跡。もう、起きないだろうと、意識がない人が目を覚ます、これも奇跡だ。痩せたい、彼女が欲しい、お金が欲しい、これは努力だ。…だから、全ての願いを叶えようとすると、世界が崩れてしまうんだよ。」
俺は、先代の神から説明を聞いて、本当に叶えた方がいい願いを厳選し、処理をして行った。
「ちょっと待て、願いを全て叶えるなとは行ったが、ヒントを与えるのも神の仕事だぞ?それを忘れるな、お金が欲しい、彼女が欲しいという願い、痩せたいという願いは、どうすればそれを叶えることができるか、民にヒントを渡すのだ。」
俺は、慣れるまで、かなり時間がかかった。
まずは、最初に願いが流れてきた、息子さんが意識がないお母さんの願いを叶えることにした。
すると、通知が1つ入ってきたので、それを開いてみると。
「あぁ、神様…ありがとうございます…息子が…息子が…目を覚ましました。本当にありがとうございます…。」
俺は、その通知を見て、涙が止まらなかった。
特に、今まで人の役に立ったことがない俺が、人を助ける事ができるようになったことが嬉しかった。
「しかし、先代は、こんな仕事をしてたのか…忙しすぎて、人の心を動かす前に寿命が縮みそうなくらい忙しいな。」
「そうだな、涼介くん。俺は君を選んだ理由、それは…君の芯の強さと、本当の優しさを持っているからだ。だから、天使である涼香も、君のことが好きになったのだろうな。君ならできる、頼むよ。」
すると、先代は、すぅっと消えていった。
「任せてよ、先代…俺やりきってみるよ。」
俺は、正式に神になった。
転校生は天使だった 恋真 真 @minori1118
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます