第二十八話 なんとまあ! 最終話から一足お先のエピソードに遭遇した。
『……この、
それはね、ここが国の鉄道・西の駅前で、
まだまだ、北へ、東へ、南へと、
この道とかね、町並みも一緒に続いて行くんだよっ!』
遠い未来へと母なる海のように、広大な緑を守りたい。
そして、湿った風を感じる中で、
もうすぐマンション。……そこの三階に、お家がある。
まだエレベーターにも
「どうした?」
「見て見て、とっても
――また、この季節を迎えた。
でも、もう大丈夫だよ。
わたしは怒ってない。
あの日と違って一人ではないし、手も
何よりも、笑顔が満開なの。
ここは幼稚園。
「
「
昨年は桃色だったけど、
だからね、
「
って元気よく、ちゃんとお名前を言ってあげてね、ご挨拶するの。
すっかりニコちゃんマークの千尋先生は、
「それはね、瑞希ちゃんが今日も元気だからなのよ」
「えへへ……」
懐かしき日々。
去年も同じことを語っていたね。
『―― Nostalgic days, again!
But, every day I can never return, every day different from those days.』
(――懐かしき日々よ、もう一度!
でも、二度と戻れぬ日々、あの頃とは違う毎日)
……少し寂しく思えたけれども、
この赤いランドセルを背負うまで、わたしはここに通っていた。卒園してから二年、小学三年生になったけど、今でもこの幼稚園が大好きで、千尋先生と大の仲良しなの。
そして、手を繋いでいるお兄ちゃんも、
「瑞希は、お花が好きなんだね」
と言ってくれてね、もちろんニコちゃんマーク。
「うん、大好き!」
それから、わたしも
――思いは時を動かす。舞台を変えて少し
「ぐすっ……」
と、去年のことなのに、
遠い日の出来事のように思い出しちゃうの……。
『瑞希』という名前はね、
パパがつけてくれたの。
ぎゅっと、手を握った。
もう泣かないって決めたから。
そのことをね、お兄ちゃんと約束したんだから。
お兄ちゃんは、小学五年生。学年が上がって、新校舎に移っていた。五年一組と三年一組ということで、新校舎の三階と二階に、それぞれの席を持っていた。
――それでも、忘れることはなかった。
一日のお勉強の時間が終わってから、いつも行く場所を決めている。そこは、旧校舎の三階にある小さなお部屋。……『教室』と呼ぶには抵抗があるけれど、我ら『
ケーキならぬ、あくまで計器が並ぶ机の上、
デンッ! と、
『誓いの地球儀』が存在感ありありで構えている。
「これこそが正義のシンボルマークだ!」と、言わんばかりだ。
……とはいっても、
ここは何も使われていない放送室だった場所。『青空戦隊』という名前も、お兄ちゃんがいつの間にかつけたものだ。本当はね、まだ『戦うべきもの』が現れていないの。
――でも、
きっと、現れる。
劇場版で最終話にならなかったアニメ。毎週日曜日に欠かさず見ている『マジカルエンジェル・みずき』のように、これまでのサターンよりも
そんな空気というのか?
それが
――ここで第十四話を参照にしてね。
その上で、
奇遇にも、現実と同じ第二十七話で、マジカルエンジェルは二人になるけれども、
この世界、現実では、さとちゃんは、
遠く南へ、引っ越しちゃって、二年生の終業式と三年生の始業式を、
二つの意味を含め……と、言ったらいいのでしょうか? ともに迎えられなくて、
寂しくても、それでも負けないよっ!
遠く離れていても、
わたしたちはお友達。「さようなら」なんて言葉はないんだ。
遠い未来も、ずっと一緒なんだから。
わたしは、今でも魔法少女に憧れている。
そして世界の平和のためなら、
たとえそれが宿命であっても、また運命だとしても、わたしは戦うぞ!
その
右腕を上げる。拳を天に掲げるのだ。
それは、恐怖を制する希望にも似た……トキメキかな?
この『マジカルステッキ』が、また
正義の魔法少女は、教養も大切で、
……って、わけでもなくて、もっと単純に、そして素直に、
わたしは、ご本を読むのが大好き! 小説、伝記に伝奇、日本史や世界史……と、ジャンルにこだわりはない。漫画だって大好き。でね、三冊借りたけど、もう読み終えちゃって、まだお兄ちゃんも来なくて、どうしようって思っていた。
『そんな時なの!
音を立て、急にドアが開いた』
「あっ、お兄ちゃん」
と、空にキラキラお星さま。
万華鏡を
「いたいた」
「瑞希ちゃん、遊ぼっ」
と、ハイテンションでよく似た声が二人分。ドア付近、
その風景を見る中でも存在感つよき、お兄ちゃんと同学年のお姉ちゃんたちだった。
仲良しの範囲を超える程いつも二人一緒。背格好、顔だけではなくて、最近は髪型がツインテールで統一。お洋服もペアールック。……本当に、見分けるのも
それもそのはず、
この二人は双子。
あとは仕草。
キャラの違い。活発と、大人しい目。
それに、ここはわたしとお兄ちゃんだけの『秘密基地』のはずなのに……と、思えるような場面だけど、もう『秘密』とも呼べなくなって、わたしはこの双子のことを「
それで
そして、わたしから見て、
「では、始める?」
と、茜ちゃん?
「ではでは、始めましょう」
と、葵ちゃん?
目から不思議な緑色のビームが発射できそうなくらいに、
お互いがお互いを見つめ合っている。その末にはコクリ、コクリと
『――その手提袋の中から出てきたもの。それはね、
白い煙……ならぬ、またまた
苦手な雷、
勇敢になれるあの青白き光だ! マジカルステッキの目が光り輝いたのだっ!』
イメージは、憧れの魔法少女。
その名は『みずき』
わたしは『瑞希』だ。
『
……が
今がパワフルなだけに、
パワーアップも含めてね。と、ここはハートマークのイメージだ。
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