悪魔の囁き

 悪魔は遠くから少女を見つめていた。「あぁ、何て素晴らしい運命を持つ子だ!」と。

 悪魔というのは人間の不幸を糧に生きるモノである。

 彼の目には、彼女は水飴やシロップと同等、もしくはそれ以上に甘い菓子としか映らない。


「人の不幸は砂糖の甘さ。復讐に生きた者は砂糖の何倍も」


 悪魔は左の口角を少しあげ、少女の目の前へと黒い翼を羽ばたかせた。

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宇野木蒼 @unoki-aoi

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