本当は自分だけが知っていたい。でも教えたい。そんな小説の代表です。
モダン・カルト―昔ながらの「歌留多」のルールに刺激的な改訂を加えて生み出された新しいスポーツ。
その覇を競うのは“鉄籠手”の異名をもつサイボーグ・アームの大男や、"ひょっとこ"のマスクを着けた八本腕の高級ミュータント。あるいは吸盤のびっしり付いた触手のような十本腕を持つ烏賊男や、マントの下で無数の腕を蠢かせる百足男。そして自らを“千手観音”と名乗る「千手」タイプのミュータント。
次から次へと現れる異形の者たちによって増殖していく「手数」に翻弄されるモダン・カルト同好部に現れた「意外な」救世主とは?、
「幻想的な」の一言では到底括ることのできない独特のモチーフと文体で知られる安良巻祐介氏の、エンターテイメントに振った作品です。こんな作品も書かれるんですねえ。