2016年 10月

第9話 俺の本気

 文化祭・体育祭と大きな行事が終わり、俺に残されたのは受験と卒業だけになった。

 俺はインターネットで調べた朝活というものに挑戦し、俺の本気を見つけている。

 朝四時に起きて、十時に寝る。六時間の睡眠をとり、再び四時に起きる。このサイクルで生活する。

 勉強時間は前に比べ格段に上がった。

 朝四時に起き、四時半から朝食を食べる七時半まで朝勉強をする。

 四時に学校から帰ってきて四時半から勉強を始め、夜ご飯を食べる七時半まで勉強する。お風呂などを済ませて十時までに寝るという生活を送っていた。これで勉強時間は最低でも平日六時間になっていた。一年前まで全く勉強をしていなかった俺が一日六時間勉強していることに自分で驚いた。


 そしてこの生活を続けてから四ヶ月目の十月。二回目の模試を受けた。前回受けた時からちょうど一年が経っていた。本気で勉強を始めてから四ヶ月。自分の偏差値も五十超えてこのままいけば合格できるだろうな〜と思っていた。が。帰ってきた結果を見た俺は驚きすぎて声を出すことができなかった。

 偏差値は四七。だがよく考えたら納得した。

 本気で勉強始めたのは六月で、四ヶ月間本気で勉強しただけ。それなら仕方がない。そう思った。ただホッとする事が一つあった。それは東洋高校が一気にB判定になった事だ。B判定は合格圏内だ。これだけはおーーー!となったが南高校は相変わらずE判定だった。塾の先生や学校の先生にも違う高校にしたほうがいいのでは?と言われたがそんなことは聞かず、ただただ裕希菜とのことを思い続けて勉強した。ある日の三者懇談で、先生が

「和亜樹くんはこの高校厳しいかもしれませんが、お母様はどうお考えでしょうか」と質問した。お母さんは

「和亜樹の好きなようにさせます」と答えた。落ちたら高い学費がかかってしまう。それでもお母さんは「お前がやりたいことをやりなさい」そう言って南高校を受けることを否定しなかった。

 受験勉強をしながら気づいたことがある。それは、

 俺はいろんな人に支えられて生きているんだな。という事だ。

 お母さん。お父さん。塾の先生。学校の先生。そして友達。裕希菜。裕希菜。裕希菜…

 そう思うと期待に応えなければ。と思いますます勉強に力が入った。

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