グレープ追悼話
イ「……プリンセス、一緒にどこか出かけないか?……オフ、だし」
プ「イワビー……あなた今日のオフが誰の為だと思っているの?」
イ「分かってるよ!分かってるけど……。『アイツら』にちょっと負けたくないというか……。」
プ「……しょうがないわね、私は『あの子達』を応援しているのに」
……今日は10月12日。
そして、もうすぐ『その時』がやってくるだろう。
僕は、橋に座る。
別に『その時』が過ぎて何かが起こるわけでもないのに、緊張する。
……彼女は、今、来る?
『その時』までずっと僕を見守ってくれていた彼女。
彼女のおかげで暗かった僕は変わった。
きみがいてくれたから……。
「……グレープ」
ああ来た来た。
良かった。
「……。」
「ねえ」
その声で、僕は安心する。
でも僕が恋したのは
「今日になってもきみは幸せ?」
(もちろんだよ)
もちろん、性格もそうだけど、一目惚れの原因は
(きみが来てくれたから、きみが笑ってくれたから)
……そして
(きみがそばにいてくれるから────)
「……お腹すいちゃった、今日のじゃぱりまんも葡萄味かな」
……フルル。
パークに来て知った。一目惚れした彼女の名前はフルル。
僕と同じ、フンボルトペンギン。
紫色の腕輪はエンゲージリング。
彼女はアイドルだけどね、パークだから。
本当に、僕は幸せだ。
(……あっ)
ついに『その時』が来た。
僕にとって大切な時間帯。僕は駆け寄ってきたフルルに抱かれている。
4月24日、ペンギンの日の前日の奇跡だってもちろん大切。
でも、これが奇跡への第一歩だから。
僕が、亡くなった日。時間帯。
今日は、のんびり過ごしていよう。
PPPなeveryday あんかけ(あとち) @Ohoshisama124
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