第3話☆自己紹介time!

《姫愛目線》


姫愛はすぐ手を挙げる。目立ちたくて。注目を浴びたくて。

「はいはい!じゃあ姫愛から時計回り、いーい?姫愛は百田姫愛ももたきゅあ

地下アイドルのふわふわにゃるるのNo.1やってまーす!

お仕事はー、メイドカフェの店員さんやってまぁす」

ほんとはデリヘルもやってるけどバレないでしょ。

姫愛がカワイく見える角度。カワイく見えるポーズ。

だってカワイイんだもん。

「年齢は?」

ポンパドールのキャバ嬢っぽい女。

カワイイけど、好きなタイプのカワイイじゃない。

「年齢はぁ〜なぁいぃしょ!」

カワイくウインク。

「んじゃ、次のコ☆チエちゃんって呼ばれてたっけ?」

ぶっちゃけ、イモい。

他はまぁまぁカワイイのに、コイツだけフツーにカワイくない。

眉もそのまま、目も腫れぼったい。

メイクしたら見れるかも知んない。

顔の下半分はまぁカワイイって言えるし、肌も綺麗。

握手会とかで見て、こんなカワイかった?って言われるタイプかな。

「えと。森田千恵もりたちえです。高校生……17歳で、美術部です。えと…実家は、農家をしています。」

…イモい。

「次の方、どうぞ。」

佐々木萌ささきもえ、同じく17。

高校は行ってない。今はソープとデリヘル兼業してる。

割とそっち…裏社会系?には精通してるよ。

…仕事明けだから眠いっす、以上。」

さっきのポンパドールの女。萌ちゃんって言うんだ。

まぁカワイイ。

好きじゃないけど。

「17って…違法じゃないの?」

メガネの女が口を挟む。黒髪だしノーメイクだし、イモい。

「しゃーないじゃん。お金無いんだし。」

「どうせ遊ぶお金でしょう?どう言う教育してるんだか…」

溜め息をつくメガネの女。

そうよはかぎんないじゃんね?

「ちが…はぁ。それでいいよ、もう。」

萌が折れた。

見た目は萌の方が若いけど、人生経験豊富って感じ。

「次、いいかしら。」

真面目そうな垂れ目の女。

事務員っぽい服をしてる。

佐藤美穂さとうみほ、28。

ヤマグチ電気で事務員してます。

えっと…そんなものですかね。次に回しましょうか。どうぞ。」

簡潔だった。

まぁこういうAV女優いるよねって感じ。

一条結弦いちじょうゆづる、22歳です。

私立星空女子大学に通わせていただいてます。えぇっと…こんなものでしょうか。」

へぇ、私でも知ってるトコ。

「バイトとかは?」

萌ちゃん。私も聞きたかった。

「アルバイトはさせていただいておりません。」

吊り目だけど物腰柔らかくて、柔らかくカールしたミルク色のハーフアップ。

カワイイ。

「ねね、姫愛も質問!」

手を挙げると、さっきの美穂に止められた。

「あとで質問タイムを作りましょう。」

「はぁい」

ちょっと拗ねた顔をしてみる。

カワイイでしょう?

「じゃあ次。唯だよ、どうぞ」

結弦が隣に言う。

友達なのかな?

「えと、金澤唯かなざわゆいです…。22歳。結弦ちゃんと一緒の星空女子に賞与型奨学金で通ってます。

バイトは…カフェで。結弦ちゃんとは…友達…いや、親友です!」

「唯ちゃん…!」

あー、そう言う系の親友さんね。キマシタワー的な?

そう言う女嫌いなんだよねぇ。

ハーフツインでびくびくして。カワイイけど地味。結弦ちゃんのオーラに負けすぎ。

「次、いいですか。」

そう行ったのは隣の女の子。

美穂と同じくらいの髪の長さ。

望月咲良もちづきさくら…15歳、県立の如月中学校に通…あ、いや、最近は不登校です…」

萌がちょっと頭をあげる。

「どしたの、萌ちゃん?」

「ああ、いえ…大丈夫です。」

「急に敬語じゃん?」

「ああ…尊敬できると思った人には敬語ですよ。」

あら、嬉しい。

「んっん。百田さん、佐々木さん。静かにしてもらえます?」

メガネの番みたい。

渡辺未来わたなべみく、21です。実家から東京大学の薬学部に通ってます。バイトはしてません。」

やっぱね。経験不足って感じ。

「あと、佐々木さんや百田さんみたいな人は軽蔑してますので。」

こっちみながらそんなことを言う。

「っはぁ!?意味わかんないんだけど!姫愛なんかしたぁ!?」

「でもここにいるってことはアイドル目指してんじゃん」

萌ちゃんがイイコト言う。そうだそうだ!

「なっ…それは子どもの時の話でしょう!?」

顔真っ赤だし早口だし。典型的なインキャじゃん。

「まぁまぁ…私の自己紹介いいですか?」

一周回って隣の子。

ポニーテールに白T、ジーパン。

カワイイじゃん。

鶴谷朱理つるやあかり。19歳です。

私も唯さんと同じく星空女子に賞与型奨学金で通ってます。

劇団オツベルってとこで団員やってます!」

ペコッと頭を下げてる。

「これで一周だねぇー」

「うん。質問タイムにする?」

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