第2話☆デスゲーム開始!

《みほ目線》


「じゃあ、起こす?ねぼすけさんいたらやだし」

「……そうね。」

話していると先程起きた派手な女の子は見た目とは裏腹に常識的なようで、社会経験の多さを見受けられる。

この子とは違う。

すわっている女の子を一瞥する。

「そうですね」

私と同じくらいの長さの髪の女の子。

おどおどして、はっきりしないタイプの子。

まるで昔の私みたいに。

『あ〜あ〜。マイクテステス!聞こえてますかぁ?』

天井のスピーカーから声が流れる。

萌え声、というやつだ。

「あれれ、もう起きてる人いる。早起きさんだねぇ?」

カメラでも仕掛けられているのだろうか。少し見渡してみる。

『も〜ミホちゃん?探してもわかんない位置に仕掛けてあるに決まってるでしょ〜?』

「っ…そんなことよりここはどこ?貴方誰なの?」

なぜか照れ臭くて、少し語気を強めてしまう。

『焦らないでよぉ。みんな起こしてかーら!』

さて、どれだっけ…とガサガサと探す音がする。

『はい、起きてる人耳塞いで〜』

カチッ、という小さな音。

その瞬間、けたたましい音が鳴り響く。

部屋でもガタン、と大きな音を立てて落ちた音がした。

「あいたた…なにぃ?」

お世辞にも可愛いとは言えない女の子だ。

眉は太く、目も腫れぼったい。

「え、あ……ごめんなさい…?」

『はいはーい、チエっち!おっはよーう静かにしてねん!』

「なんなの、これ!きゅあ、明日バイトなんだけど!」

声の主を一瞥すると、ツインテールの女の子。

ピンク色の髪をしており、ふりふりの所謂ロリータファッションをしている。

『……静かにしろっつってんだろ』

『えとね、あたしはゲームマスターのウララ!よろしくねん!

キミ達にはこれから今流行りのデスゲームをしてもらいます!

と言ってもあたしはやさしーから、殺したりはしません!

ただ…負けたら一生アイドルになれません!かぁわいそ☆

輝かしい優勝者は、アイドルになれます!

アイドルと言ってもキュアちゃんみたいな地下アイドルじゃあないよ?』

「…やめて。」

さっきのツインテール少女。この子が“キュア”ちゃんらしい。

『みんなも聞いたことあるよね?新曲のsmile☆smileで一世を風靡してるアイドル…smile☆girls。

アレのセンターに大抜擢しちゃいます!

みんなアイドルに憧れてる、アーンド憧れてたオンナノコ達だからうれしーよね?

ちなみに優勝者たんの選んだ1人だけ、アイドルにさせることもできまぁす!選ばないもアリだけどねん

やりたくない、もアリだよ?山降りて帰るがいいさ!記憶処理だけするけど。

まぁそんなとこかな?

先ずは自己紹介タイムにしたげる!こいつイケそうって奴に媚 売れ!じゃあ、ばいばいにゃあ!』

プツン。

「自己紹介…タイム。」

おどおどとした、ハーフツインの少女が呟いた。

やらない、と言う人は…居なかった。

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