主人公は自動人形のリトルトイ。
機械でつくられた人形なのですが、人間のように意志を持っています。
しかし、人間によってつくられたはずの彼らは人間のいない街で、彼らだけで生きています。
その理由は人間達が自分たちの生み出した文明で自然を汚し、街を住めないものにして出て行ったから、だとか。
さり気なく描かれる設定に、なかなかスパイスが利いています。
さて、そのリトルトイの身に起こる不調、そして兄弟との出会い……。
短いお話ですので、あまり書くとネタバレになってしまうでしょう。
ですからあまり多くは語りませんが、細部までとても丁寧に描かれた、美しく哀しい物語です。
個人的には、夜寝る前に読んで、彼らの夢に思いを馳せたいところです。