そして冒険へ

――今もなお、世界には無数の迷宮がある。

それは拡大を続ける都市の一部であり、新たなる神を作り出そうという人々が作り出した神殿であり、自らの財産に偏執したした富豪の住処であったりする。


英雄は迷宮を求め、数多の冒険譚は未だ生まれ続けている。


「知らなかったよね、そんなの。」

ダンジョニング協会からの依頼書を、何とはなしに空にかざし、透かしてみる。

私とマキは今、だれもいない荒野を歩いていた。


未踏のダンジョンを攻略してボスを倒した実績から、私達はダイヤモンドクラスの更に上、虹色レインボークラスというものに昇格することになった。

このクラスの存在は一般には伏せられており、ここに到達した一握りの人間は協会の依頼を受けて新たなダンジョンの開拓に向かうことになっている。


「まだ誰も足を踏み入れたことのない迷宮、何があるのかわからないダンジョンがそんなにあるなんて、ね。」 

「言ったじゃないですか、私とソティアさんはまだまだいっぱい冒険するんですよ!」


マキはそう言って、とても楽しそうに軽快に歩いていく。


「冒険か……」


それは攻略本を読み、誰かの足跡を辿るダンジョニングとは全く異なることだ。

危険も段違いで保証されていることは何もなく、富も名誉もあるわけじゃない。

依頼なんて断ることだってできるけれど、私達はまたダンジョンに足を向ける。


何故って?それはもちろん。


「そこに、ダンジョンがあるんだから――」

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ダンジョン・アタッカーズ! Enju @Enju_mestr

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