実際の時間経過を考えると、ほんの数分から数時間のことを描写した作品ではあります。しかし、これまで経緯を織り交ぜることで、人物像から背景までを踏まえて読むことができます。よって、短編ながら感情移入もしやすく、読了時には続編も期待したくなる作品です。
和風の文体が馴染まないと思う方も騙されたと思って読んでみて下さい。きっと描写の鮮やかさに度肝を抜かれることでしょう。イカヅチ達の化物との戦闘シーンは今でも脳内で再生されます。決着の付け方も、ここまで格好良く仕上がるものなのかと震えています。