第55話 エピローグ

            By: Sakura-shougen(サクラ近衛将監)


 エディ、ダイアナ、ギルバートの三人は、モンディ族の情報を得て、その捉えた個体の命を絶った。

 遠話で全員に出撃命令を掛けた。

 最初に行ったことは、閉鎖世界の空間自体を閉鎖してしまうことであった。

 空間が閉じられると全ての異次元界への道が閉ざされた。


 彼ら凶暴な種族の逃げ道を絶ってから、一斉に動き出した。

 剣で、魔法で、或いは超能力で戦うエディの一族に敵う敵は居なかった。

 モンディ一族の戦士百名がもし人間の住む世界に入って戦いを始めたならば、例え十万の軍勢でも相手にはならなかっただろう。


 彼らが襲った人間界がヘイブンであり、魔法師の世界であったからこそ、そうしてギルバートとその一族の存在があったからこそ防ぐことができたのである。

 幾つもの伏線があった。

 シュルツとレイノルズがアンチ超能力抑止装置を開発していなかったら、エディの一族であっても彼らを殲滅することは難しかったに違いない。


 ギルバートが魔法を身につけていなければ、異次元の門を開いても通り抜けることはできなかっただろう。

 幸運なことに全てが良い方向に重なって、ヘイブン世界の人類存亡を賭ける戦いにも終止符を打つことになった。


 余りに闘争意識の強い異次元界のモンディ達の種族は、人類社会にとって必ずや脅威になる。

 エディ一族は、モンディの種族のみならず、同族の生物全てを殺戮して、異次元世界を立ち去った。

 さらには、異次元界からつながる七つの異なる異次元世界全てを探索し、斥候六名をあぶり出して人知れず殲滅したのはエディであった。


 ギルバートの一族である異邦の援軍がヘイブン世界に滞在したのは僅かに半日ほどのことである。

 異様な風体の武人達がペリデロンの住民の噂に上がったのは僅かに数日のことであり、彼らが去ってからはその噂も次第に消えて、住民の記憶に残らなくなった。


 ペリデロン謁見の間での惨事は秘匿され、下々のものが知ることはなかったが、惨殺されたラシャ大陸の親善大使の夫人とその従者から、ラシャ大陸に怪奇話として広まるのは避けられなかった。


 ウェルブールとペリデロンは、何事も無かったかのように、平穏でささやかな繁栄を続けたのである。


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 最後までお読みいただきありがとうございました。


 パラレルワールド・アルカンディア風雲録外伝ー1 「ヘイブン世界のギルバート」をこれで終わります。


 「蒼の異邦剣士」は引き続き継続中ですが、このシリーズの外伝ー2「プレデス世界の兄妹」を2018年10月26日から掲載しております。


 内容は、中世風の世界から未来風の世界になり、SFじみた内容になります。

 「プレデス世界の兄妹」では、エドガルドの次男と次女が主人公となります。


 宜しければご一読ください。


            By: Sakura-shougen(サクラ近衛将監)


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