おまけ
月と太陽
「なあ。
「ぶふっ! げほっげほっ! ちょっと、
スポーツサングラス式VR機器に取りつけられているヘッドセットのイヤー部分から、
俺、そんなに咳込むほど、おかしなことを言っちまったかなあ? これは恋人同士なら当たり前のような会話だと思うんだが? と
「悪かった。俺が変なことを言っちまった。
「んぐんぐっ、ぷはー! まだちょっと喉が粉っぽい感じがするけど、大丈夫よ? で、
「ん、いや、まあなんというか……。ほら、俺たちって、ゲーム内での結婚式に合わせて、正式にお付き合いを始めたじゃないか。なら、やっぱり、恋人らしい会話をひとつと思ってだな?」
そんな2人は当然、リアルでもお付き合いを開始し、平日の仕事を終えて、家に帰ってきたあとは、スカイペ通話を
いつもなら、このスカイペ通話には、
しかし、そんなお邪魔な男2人は都合よく、明日は朝が早いと、いつもより1時間も早く、ゲームからログアウトし、スカイペ通話からも退席していたのである。
そんなわけで、平日としては珍しく、
「あたしって、太陽かなー? ちょっと違う気がするのよねー」
「ん? こういう台詞の定番だと、女性は太陽で、男は月じゃんか?
「あたしが今こうして、輝いていられるのは、
だが、
いやしかし、
「でも、どうしたのかしら? トッシェとナリッサが落ちたからって、急に
「う、うるせえっ。だいたい、あいつら、呼んでもないのにスカイペ通話に参加要請を出してきやがるのが悪いんだよっ。こういった男女のお付き合いは最初が肝心だっていうのによっ!」
「まあまあ、良いじゃないの。そんなにあの2人を邪険に扱わなくたって。あたしは逃げも隠れもしないんだから、
「俺は、あの、そのだな。女性と正式にお付き合いをするのは、
「うっわーーー。
くっ、言うんじゃなかったぜっ、と
「あたしも、正式にお付き合いする男性は
「えっ、それって本当なのか?
「そりゃ、言い寄る男は居たわよ? でも、あたしは惚れた相手じゃないと嫌なわけ。
「というわけだから、
「えっ……。それはちょっと、情熱的すぎないか?」
「
風と共に踊る行進曲(マーチ) ももちく @momochi-chikuwa
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