☆【長編】雪の女王は戦馬と駆ける
【概要】
https://kakuyomu.jp/works/1177354054890976093
タイトル:雪の女王は戦馬と駆ける
作者: Veilchen(悠井すみれ)
ジャンル:異世界ファンタジー
状態:連載中
文字数:1,367,490字(2020/11/29現在)
【あらすじ】
雪深い北国ミリアールトは襲撃により滅んだ。祖国を滅ぼされ残されたミリアールトの王女シャスティエは、仇であるイシュテン国へと連れられる。祖国の誇りを胸に「高貴な虜囚」として振る舞うシャスティエは強い復讐の念を抱く。とある目的を達成するためにしたたかに行動するシャスティエだが、国の内外に存在する様々な人間の思惑や悪意がシャスティエに襲い掛かる。
【語り愛】
100万字オーバーなんですけど、いやしかし、一話一話の深み、重み、思惑、もういろんなものが関わってすげえ……と語彙力を喪失する話です。でもこれはオススメな点を紹介するものなのできちんと言語化しないといけないですね。とにかくすごいんですけど。
構成としては群像劇です。祖国を滅ぼされたミリアールト王女・シャスティエが復讐を遂げるために謀略の渦に飛び込んでいく、のが基本的な軸だと思います。ただ、シャスティエを軸にしながらも関わってくるのはシャスティエ一人の思惑だけではない。イシュテン国内、そして国外の意図が複雑に絡んできます。
どうしてもシャスティエがミリアールト国を背負っている以上、そしてミリアールト国の美しい王女という触れ込みに政治的価値を見出そうとする者がいたり、逆に排斥しようとしたり。そういった国家レベルの思惑が飛び火するわけですよ。しかもシャスティエも自身の価値とか自覚していて、賢いからそういったものを計算ずくで振る舞って。相手も賢いとそれを見透かすから不愉快になりながら乗ったり乗らなかったり、そういった、もうどれくらい深読みすればいいんだ! という腹の探り合いにゾクゾクします。
群像劇で心配されるのって、視点やフォーカスされる人間が変わることで物語がとっ散らかることだと思うんです。あとは風呂敷広げすぎて、個々のシナリオはいいんだけど全体で見たときに上手くつながらないとか。自分のことは棚に上げて語ってますからねこれ。
でもこれは、一話ずつ見ても楽しい(というか引き込まれる)し、それを少し引いて見るともっとでかい規模のあれそれ、陰謀劇が見えたりして、いやーもう唸るしかないですわ。
久々に語り愛したのでうまく伝わってるのかという不安がありますが、とにかくすごいです。重厚なストーリーを堪能したい方とか、国家の陰謀劇とか好きな方にはぜひ読んでいただきたいです。
それと、作者様の他の作品も筆力高くてもう引き込まれるので、文字数多いのはちょっと……というなら短編もオススメです。
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