恋愛

☆【長編】ひかりをこえて

【概要】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883898055

 タイトル:ひかりをこえて

 作者:宵待なつこ

 ジャンル:恋愛

 状態:連載中

 文字数:122,846字(2020/11/29現在)


【あらすじ】

 藤咲燈子は中学二年生の七月、不幸な交通事故に遭って昏睡状態にあった。同乗した両親は亡くなってしまったが、三年の時を経て奇跡的に燈子は意識を取り戻す。新薬投与により起こった奇跡はしかし、一日三時間のみの期限つきの魔法だった。

 親族も消えた今、燈子を繋ぎ止めるのは宗澤浩樹だけだった。中学時代にふとしたきっかけで親しくなった二人は、友達以上恋人未満の関係を続けていく。しかし、中学二年生の七月のままであろうとする燈子と自由を求め前進しようとする浩樹の間には、見えなくも明確な溝が生まれつつあった。


【語り愛】

 タイム・ディファレンス、そしてタイム・ディスタンスと副題のついている今作。その意味が読み進めるほどに両肩にのしかかってくるようなお話です。


 昏睡状態からの奇跡の覚醒。そして想っていた男子との再会。これだけであれば感動的な恋愛小説のように「良かったね」と言ってハッピーエンドなのですが、こちらはそうはいきません。むしろここはスタート地点でしかない。


 ころころと、坂道から石が転がっていくように。二人の間の距離感にはどこか心当たりがあるのです。

 今のままでいたい。今のままは嫌だ。どんなことでもいい、そう思った経験があれば、この二人のすれ違いが胸に突き刺さってきます。その人間らしい感情が、一筋縄ではいかない葛藤が、ご都合主義ではない展開が、どん底に突き落とすような心の叫びが、響くのだと思います。

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