ぼくと彼女の秘密

宮内

黒髪ストレートの彼女

世界の秘密を手に入れたんだ、ときみは笑う。言ってきたくせに、中身は教えてくれない。だってタダの秘密じゃないんだよ?世界の秘密だもの。そんな簡単に教えられないよ。そんなことを言われたら余計気になる。教えてくれよと何度も言うのに、いたずらっ子のように微笑むばかりだ。きみに隠し事をされるのは初めてで、ぼくはどうにも落ち着かない気持ちになる。

「どうしたら教えてくれる?俺も世界の秘密を知りたい」

「どうしても?」

「どうしても」

ふふ、ときみは柔らかい目でぼくを見る。女のコの秘密を知ってもロクなことにならないよ。でも、そんなに言うなら仕方がないね。

「世界の秘密だから、本当に誰にも教えられないんだ。だからさ、私と一つになるしかないね」

きみの口が大きく開く。薔薇みたいに綺麗でグロテスクな咥内。棘みたいな無数の歯に、ぼくの頭は切り刻まれた。赤黒く蠢くきみの胎内で、ぼくは世界の秘密を知る。

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ぼくと彼女の秘密 宮内 @miyauti

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