かなしみあじ

教室の喧騒。僕はふと入口の方を振り返る。そこには愛した彼女が談笑していた。











喪失の悲しみさえ味わえない僕は、教室の隅で顔を伏せた。




どんなに仮想現実で愛を謳っても、土塊のような脆い壁を積み上げるだけ。現実から逃走するほど現実の苦しみは深くなる。






止まない喧騒。自らの喘鳴、嗚咽。







消えてなくなりたいほど惨めなのに、生への醜い執着が僕を縛り付ける。






どんなに言葉を綴れてたとしても、




今の僕の価値は、



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まぼろしのあめだま @ruritamago

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