再会
梅乃
さいかい
私は高校1年になった。キャンプのボランティアスタッフとして応募出来る年がついにきた!最後のキャンプが終わって解散となった後、私たちは約束した。〝ボランティアスタッフになってまた会おう〟と。私はそれが楽しみで楽しみで仕方がなかった。
そして、今日はキャンプに向けての会議第1回目。今日は数学の授業が3時間もあったけど、朝から機嫌がよかった。
授業も終わって、会議場所に着いた。けど、バスが遅れてしまったため、私が最後に会議室に入ることにらなった。
会議終了後。
「久しぶり!」「ちぃーす!」「久しぶりです」
「久しぶり!」
「会議始まる前までにうちら3人は来てたから、すっごいビビりのあやがどんな風になったかでみんなと話してたんだよ〜」
「もう、それ辞めてよ〜。少しはましになったんだから〜」
こうして私、さや、つばさ、こうは再開を果たした。
「そう言えばみんなって担当何処になった?」
「俺らはみんなナイトプログラムの〝肝試し〟だぞ〜。なんか、このキャンプのボランティア1年目はみんなそうなるんだって。てか、その1年目って俺らだけだけどな!」
「へーソウナンダー」
「あれあれ?少しはましになったんじゃなかっけ?お嬢さん?」
「うっ……」
「でも、やられるよりはやる方が楽しいですよ?内容は次回先輩方も交えて決めますし、大丈夫ですよ」
「おーい!そこの4人組〜。そろそろ会議室閉めちゃうぞ〜」
「あっ!あいさんだ!」
「おぉー!あやじゃん!それに、さや、こう。あれ……?もう1人って誰だっけ?」
「なんで俺だけ、都合よく忘れんだよ!」
「って、もう閉めるから早く出て〜」
「「「はーい!」」」「スルーかよ!!!」
それから少しあいさんと話し、市役所を後にした。あいさんは今年、大学4年生でこのボランティアは今年で最後となったと少し寂しげに話していた。私も小学生の初めて参加して心細かった時に話しかけてくれた人でもあるから余計寂しいなと思ってしまった。あいさんから色んなことを学べるといいな。
会議2回目。
私たち4人組と先輩方でナイトプログラムという名の肝試しの詳細を決めた。楽しい時間はすぐに終わってしまうようであっという間であった。
会議最終回。
いよいよ明後日からキャンプとなった。全5回の会議で決めた、スケジュールやイベントの確認が主となっていた。最後には明後日に向けて気合を入れて終わりを告げた。
だか、私たちは先輩方から恒例だということで、肝試しのスタート地点の神社の話しを聞いた。
「これを信じるか信じないかはあなた次第だからね〜」
と茶化される形で終わった。
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キャンプ2日目、夜、ナイトプログラム。
神社からスタートなので小学生たちが集まった。辺りは暗く、木々の隙間からは普段は見えない星々が見え綺麗だが、ザワザワと不気味な音を音を立てている。神社のしめ縄についている紙垂も風にゆられている。
残りが2組くらいになった時、左端の紙垂が不自然に揺れているのに気づいた。
「ねぇ、あの子達が行ったらすぐに戻ろうね」
「うーん?最後の子たちがある程度まで進んだらだよ!もう、怖がりが戻ってきたの?」
「そんなんじゃ無いけど……。しめ縄の左端の紙を見てよ……。不自然じゃない?」
「!!!そ、そうだね……。最後の子たちも、今行ったことだし、うちらも、脅かし役のこうとつばさを拾きながら戻っても大丈夫だよね?!」
「ちょっと待って!」
私は焦るさやかを引き止めた。いきなり止めたせいで少し戸惑ってるようだ。でも、これだけはしておかなければいけない気がする。
「何?」
「一応、使わせてもらったからお礼とか言ってから出なきゃだめだよ!」
「そう言えば……あやってそうだったね……」
私たちはお辞儀をした。
すると、左端の紙垂だけでなく、しめ縄の全ての紙垂が不自然に揺れ始めた。
こうなったら早く神社を出なければと考えた私は固まっているさやかの腕を引いて鳥居まで走った。そして、鳥居の前でお辞儀をして顔を上げると紙垂は元に戻っていた。
「ふぅー。ここまで来れば大丈夫っしょ!早く戻ろ!」
「え……?あっ!そうだね!早く行こ!」
この時、私は視界の端に捕らえてしまった。6年生のときにに見た、黒い着物を着て黒い傘を差した、長い黒髪の女を……。
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その神社へ行く途中の崩れかけた建物のある付近は昔、土砂崩れが多く人が生き埋めになることも少なくなかったと……。その為、神社ができ、お地蔵さんも置かれたそうだ……。だが、お地蔵さんの1つは数年前に姿を消した。盗まれたということにはなってはいるが、周囲には人の足跡らしきものは無かったという。
再会 梅乃 @nowan-misora--n_n--
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