主人公、ユウの葛藤と成長。
敵味方問わず個性豊かなキャラクター達。
登場するロボ、理力甲冑にある重厚な設定。
どれをとっても素晴らしい作品です。
ロボット物を読んだことのない方でも、ユウとその仲間たち、さらに敵陣営のキャラクターたちが織り成す物語は必見。
ですが、個人的に一番注目すべきは登場する理力甲冑です。量産機、ステッドランドに始まり主人公機たるアルヴァリス。その他にも様々な機体が登場します。その機体たちが死力を尽くして闘う様は素晴らしいの一言に尽きます。
完結していますので纏まった時間に一気読みするもよし、隙間時間にちょっとずつ読むもよしです。
堂々の完結……!!
主人公ユウ・ナカムラは、異世界へとその身を飛ばされ理力甲冑という人形のロボットに乗ることになった。
この作品の最大の魅力はなんと言っても戦闘シーン!
剣と剣。金属同士が擦れ合うシーンが圧倒的な表現力をもって再現されており、金属や油の匂い。戦場を漂う硝煙の匂いだったりをまざまざと見せつけられます……!!
その中にも異邦人(転生者)としての葛藤や、未熟な若者なりの矜持が描かれており、読む者を飽きさせません!!
ユウは。どちらのヒロインを選ぶのかも見どころの1つになっていますので、ぜひ!このワクワクとドキドキを体感してみてください(人*´∀`)。*゚+
の通りに王道ファンタジーロボット小説です。
主人公+バイクで説明不要、ですがしかしそのバイクも異世界でそのロボット動力源を流用して使う辺りが、ある意味モデルとされていると思わしき作品(言葉に語弊あり)には無い要素で個人的にツボ。
もちろん、ファンタジー+ロボットという線はキチンと押さえてありますが、個人的に一番評価が出来るのは
「ロボット整備時の油臭さ」
「クッキング(食べ物)が出てくる頻度」
でしょうか。
これを重視しているかどうかで、世界観の深みが大きく違います。それが作者様にはおそらく解っていらっしゃるのでしょう。
ただ、気になった点としましてはストーリー的に明確な目的(主人公が敵と戦う理由)が伏線的にも見受けられないという所、伏線というものは一つ思わせ振りな単語でも出しておくだけで(実の所、後先を考えなくても大丈夫)良いので、日常系のファンタジーロボット(少し矛盾のある言葉?)を目指しているのでなければ、出しておくべきかと……(ライバル風のキャラは出ておりましたが)
しかし、某オーラロード作品でも主人公が再び故郷へ戻るまでは、明確に敵と戦うべき理由を持っていなかった風にも見えましたので、私の洞察不足かも知れません。
と、ここまで余計なお世話をさせて頂きましたが、ひとえにこのままストーリーがだれてしまうのが惜しい作品ゆえのイチャモンと受け取って頂ければありがたいです。
あと、地味にチート要素が無い、骨太な作品であることを明記させて頂きます。