凶新報

安良巻祐介

 

 裏地が真赤な黒外套を着た男には注意しろ、という発行人不明の回覧板がある日町を出回ったが時すでに遅く、そのような人物によって大方の町人が殺されつくし、彼の去ったのち、一陣の暴風の吹いた後のようにシンとしている町の上に、紅色の月が差しかかっているばかりであった。

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凶新報 安良巻祐介 @aramaki88

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