第10話補足編 夢小説編前半 歴史の闇に潜んだ真のツワモノたち……その名は『夢小説』!


 ※本題はページ1/3ぐらい後に始まります



(完結した)前回までのあらすじ


……むかしむかし。


「NAROU」という名の街に、たくさんの若い冒険者と、1人の古参冒険者がいました。

若い冒険者たちは、大半は自らの好きなダンジョンにただ勝手に潜っていきましたが、

一部はNAROUの現状を憂い、好き勝手に文句を言い続け、その数は徐々に増えていきました。

それをみて、古参冒険者は、嘆きました。

それは「RISOU」という街が、活気をなくしていった終盤と、徐々に似てきていたからです。



(彼らの叩き方は、下手すると時代を逆行させるが……わかってるのか)

(批判されたくなければNAROUへいけ……それゆえNAROUは覇権をとった……そんな時代もあったんだがな……)


(今の若い人たちは、知るよしもない……か)



……しかし。続けて思いました。



(無理もない。当時を語る者はろくにおらず、資料も時とともに消えていっているのだから)

(……彼らは、今どこにいるのか。もしかしたら、いないのか)



……であれば、誰かが、語らねばならないのではないか。誰かが。そして、もし、誰もやらないのであれば……。



彼は、一番最初に、筆をとったときの心を思い出しました。

そうだ、あの時もそうだった。



(そうだ。誰も書いてくれないなら……俺が書こう)


(思い出せ。強い不満と、ギラつく欲望に溢れたあの頃の感情を……!)



胸にたぎる現状への不満。待っても待っても変化しない世界。

待って不満を抱え続けるぐらいなら、書いて満足を残そう。



そして、古参冒険者は語る事にしました。彼は特別な実績を残したわけではありませんが、

それがなくても、ただの一時代の一視点としてでも、残す価値はあると考えたからです。

それにもしかしたら、それは呼び水となり、誰かが新しく資料を作ってくれるかもしれません。



(歴史で大事なことは、点の出来事に非ず。『流れ』だ。『欲望の流れ』。

過去を『踏まえて』『より良きを求めて』進化する欲望の流れこそが、歴史。

歴史は『より良き』の欲望の流れが見えてこそ面白く、理解できる)



そんな個人的な信念を軸に彼は書きました。

文化発展の根底には、常に欲望ありき。

そんな事を振り返りながら、彼は書いていきました。


そして、彼は書き上げ、発表したところ……。



それは、なんと想像を遥かに超える好評をうけ。

その街の月1のイベントで、人気1位を取ることもできました。

日間1位ですら大変なのに、月1位!ジャンル別だと年間2位!大変な快挙です。

つーか正直、彼は超キョドってました。いやだって日間20位ぐらいまでが限界だと思ってたし。

ポイントくれた皆さん本当応援ありがとう。



それはさておき。

古参冒険者は、一仕事終えた気分で、冒険者の宿(感想欄)に向かいました。


すると、そこには、想像もしなかった光景が待っていました!

そう、いないと思っていた、古参たち。いや、彼をも超える、超古参たち。

遥か古き時代を知る歴戦の古強者。鋼の精神と装備(スコップ)を持つもの。

そんな彼らが、続々と集まっていたのです。



     「お前ら……生きていたのか!」



そんな懐かしさに浸る古参冒険者。

しかし、超古参冒険者たちは、最初こそ、作品への謝辞をはじめましたが。

そこはやはり超古参冒険者。すぐに、彼らも彼らなりの、歴史を語りはじめました。



作品を書き上げた古参は既に肩身の狭い思いです。

つーか集まりすぎだろ。奴らの前ではオレですら新参だわ。

ヤバイ、割と記憶に抜けがあるのがバレてしまう。15年以上前だし。


そんな古参の想いを他所に、彼らは語り始めます。怒涛の如く。



超古参A「夢小説……これを忘れちゃいけねえよな?憑依や転生はこちらが元祖じゃないのか」

超古参B「全くだ。女性向け文化説明が少なすぎるぜ。ケータイ小説とかな。なりきりチャットもあったろう」

超古参C「DreamMaker……フォレスト……魔法のiランド……うッ頭が」

超古参D「ふっ。『作家でご飯』や『ラ研』を忘れては困るな?」

超古参E「独立派閥じゃねーか。それより、創作ならブーンとかAA系小説の派生とかもさー」

超古参F「それなら、やる夫系列は抜かせないな。初期は学ぶ系が主流だったよな」

超古参G「待ちな。だったらTRPG勢やリプレイ勢も忘れるな。やる夫スレ運営者はそいつら多いぞ」

超古参H「ではニコ動の創作卓勢もいれるべきだろう。MUGENストーリー勢もいれるか?」

超古参I「いやいや、MMORPGの影響を忘れちゃあダメだろう。ゼロ魔にないギルドやクエストはWizやROの影響だろ?」

超古参J「ちくわ大明神」

超古参K「2chSS板を抜いちゃいけないって思うわけよ」

超古参L「リレー小説や、パロロワ、オリロワっていうものがあってな……」

超古参M「仮想戦記って独特のジャンル築いてたよな」

超古参N「Arcadiaの前に、東方創想話など、自動投稿二次サイトをいうべきでは?」

超古参O「オイイィ!東方なら東方陰陽鉄を語るべきなんだが?幻想入りの流行りを語るべきそうすべき」

超古参P「ニコ動いうならさーカゲプロミクとか、魔女の家とか、ボカロフリゲの書籍化も語ろうぜ」

超古参Q「ネットが無いころから語ろうか。俺の時代はファンロードがだな……」

超古参R「ふたば文化も言うべきか?」

超古参J「ちくわしかもってねえ!」

超古参S「そこまでいうなら、ワンパンマンとかネット漫画もいるだろう」

超古参T「アイエエエ!ならばTwi小説も語るべき!」

超古参U「Twiなら時代は白ハゲ漫画だよ」

超古参V「いやいや、嘘松だろう。そういや電車男って嘘松ってマジ?」

超古参W「SSVIP板とかの台本が流行ったのも無視できないぞ」

超古参X「理想郷は、最初は捜索板から発展したのもいうべきでは?あれなろうにも欲しい」

超古参Y「ならば楽園だけじゃなくて、カオパラとかシルフェイドも入るか」

超古参Z「SCP財団も創作文化に入れていいと思うんだ」

超古参α「いやいや、そもそも今の二次にも目をむけようぜ。pixivとか暁とかハーメルンとかさ」

超古参β「今に目を向けるなら、アルファポリスやカクヨム、マグネッターも語るべきか?」

超古参θ「アルファって今か?だが書籍化の功罪罪罪あらたかなのは確かだな」

超古参⊿「なろうだけ何故叩かれるかも語ろうぜ。他の娯楽も根幹は変わらんのによ」



ちょ……。ウェイ。ウェイウェイッ!

待て。お前ら待て。



語りすぎ。語りすぎだから。感想600件以上もあると、情報の集合量がやばたんだわ。

(Web拍手もいれると1000件ごえ)

あと並列してあった創作文化を全部あげるのやめろ。

全部網羅してるわけないだろ!

筆者の時間は1日24時間しかないんですよ!

なんだかんだで、ほとんど全部かじったことぐらいはあるけど!

なんでだろな!

この中だとやる夫系列が一番好きです!



くう、とはいえ、この情報提供量を無視はできない!

よりよい歴史の資料とするためにも!

せめて、重要なところだけは、少しだけでも補足で語ろうではないか!



……というわけで。



茶番の前置きが長かったですが、完結させた本編では、語りきれなかったもの。

それらを、補填話として語りたいと思います。



まずは……これを抜いてたのは確かに片手落ち。


そう言わざるを得ない、女性小説文化……。




其の中でも、絶対に語るべき「夢小説」というものについてです!
















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夢の中へ、行ってみたいと思いませんか〜フフッフ〜

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筆者はエッセイの中で「憑依」の火付け役は一次創作であるといいました。

これは、そこそこは正解ですが。大正解かといえば、そうではないのです。



なぜなら……



二次創作界隈では、既にある分野ではいくつか顔をだしていたからですね!


エヴァの時期にもいくらかはあったし、あるいはナルトとかね。

ただ、火付けというほど蔓延はしてなかったとは思いますが。

魔改造主人公も同時期はたくさんいましたし、多数派でした。

今のように駆逐されてるほどでは決してありませんでした。

魔改造主人公が駆逐されていったのは、一次創作で憑依が現れて以後だったように思えます。



しかし、そんな中でも、憑依や転生……

それらが「当たり前のように」使われ、

広まっていた分野がありました。



それは……『女性向け小説』という分野です。



はっきりいいますが、筆者が歴史として書いた流れには、

女性向け小説を入れていません。


何故?それは!筆者が男性だから!


シンプル!

なので、男性視点で、男性の文化を中心に語らせてもらいました。

だから、男性向け視点のみなら、あれはそんなに間違ってません。



しかし、男女入り混じった創作世界全てを語るなら……!

ええ、片手落ちであったことは認めましょう!



先に紹介したアイディアの一部は、既に女性向け分野で。

はるか前に誕生し、蔓延していたことを!

そして、男性にもない、ある種独特の文化を築いていたことを!

認めましょう!



しかし!ここで疑問が1つ!

では、なぜそんなに先に登場したにも関わらず。

小説の表舞台には、登場が遅く、広まりが遅かったのでしょう?



実は、それには、しっかりとした理由があります。

筆者が、ひいては数多の男どもが、あまり彼女らの文化に触れてないのは。


『触れる事が出来なかった』からでもあるからです。

しなかったのではなく、できなかった。


そう、なぜなら彼女らの文化は……はっきり言えば。



『めっちゃ閉じてた』からです!



それはもう、半端なく閉じてました!



今でこそTwitterなどを通じ、その界隈の文化に

男であっても気軽に触れれますが(というか触れれてしまいますが)、

当時は完全に【核シェルター並の壁】が築かれていました!

震災から守られてました!



改めて、2000年台前後の話をしましょう。



彼女らの名前は、今で言う『夢女子』たちです。

腐女子……とはちょっと違うかな。広く両方をいうこともなくはないけど。

創作の女性オタクといえば、どちらか、あるいは両方を兼任してるイメージはありますね。


そして、彼女たちは、今よりも遥かに、叩かれやすい存在であり。

かつ、それを自覚しており……。作者や一般人に見つかってはいけないと。

かなり、ひっそりとその文化を育んでました。


ちなみに男も割とひっそりです。

オタク=キモい=生きてるだけで犯罪者=死ね。な時代なので。

この頃のオタクへの迫害はひどかったなあ……。

スナッフビデオ(殺害中継ビデオ)所持一歩手前ぐらいの扱いをされてたと思いますね。

いいすぎかな?二歩手前ぐらいかも。

さて、そんな迫害の時代なので、男性はおろか、女性もかなり影に潜みました。



有名なのが『検索避け』と呼ばれる行動です。



検索避け……それは、作者や、男たちや、一般ファンが彼女らの領域に安易にたどり着けないように行う行為。



例えば、ホイッスルという作品の二次だったら、

普通だったら「ホイッスルの二次創作です!」と書く所……。


「ホ/イッ/ス/ルの二次創作です!」と書く行為です。


このように、/をいれることで、検索ワードに当たりづらくし。

あくまで、同行の士が、口コミなどだけで辿れるようにしていたのです。

さらに、HPの透明リンクや、ランダムリンクなどに隠す念のいれよう。

だから、その「領域の外」にいる人がたどり着くには、かなりの労力を必要としました。

時代はまだまだ個人HP時代ですしね。一箇所に集まってるわけでもないし。


つーか当時から不思議だったんだけど、彼女らは新作とかどうやって見つけてたんだろう……。

コレガワカラナイ



まあ、基本的に、めぐりあうのが難しかったのは、これが原因です。

検索で出ないんではね。無理無理無理!見れない!ですよ。

ついでに口コミ掲示板でも、その手専用の場所じゃないと教えてくれませんから。


だから「たどり着くぞ!」という強い意志がないと、まずいけません。

荒波に囲まれた絶海の孤島かな?

なんとなく二次を探してる……程度ではまず無理なのです。




しかし、ここで一つ疑問が浮かびます。



彼女らは、何故そんなに、必死になって検索避けをしていたのでしょう?



二次創作といえど、そこまで敏感にならなくてもいいと思いますが……。

男だって、たくさん二次創作してるわけだし。

ね、そう思いません?



ですが、その答えは簡単です。



何故公開に制限をかけていたか?

それは、彼女たちの作品が……



『欲望に振り切れていた』からにほかなりません!



欲望、足りてる!

いや、足りすぎ。


あえていおう、男どもの欲望レベルなど、

彼女らの前では鼻で笑われるレベルでブレーキが掛かっていると!


男たちが、ハーレムとか魔改造とかで

自己投影欲求がどーたらこーたらと叩き合ってる間、

彼女たちは、そんな低レベルな次元の欲望など遥か昔に通り過ぎていました!

ノーマルから、BLはもちろん、ありとあらゆる欲望が広がっていました。


魔改造?ハーレム?クックック……その程度の欲望とは、実にぬるいぬるい。

真の欲望を見せてやろう!そんな声すら聞こえてきそうです!


その代表格が……そう!


冒頭でもいった。



    『夢小説』



なのです!



夢小説、とはなんでしょう?


それは説明すればとても簡単。




『主人公の名前に、好きな名前を入力出来て、そのまま物語を楽しめる』タイプの小説の事です!


   スクリプトとか使ってね。




ゲームかよ!っていう。

まあ、ゲームが元ですが。

ドリーム小説ともいいます。


まさに、夢のようなお話!だから、夢小説!


実際、これを作るためのサイトは「ドリームメーカー」といいましたしね!

これが原因ともいいます。


欲望が半端ないですね!


主人公の通称は『夢主』!

オリ主とかそういうレベルじゃないし!



自分の分身をいれるのではなく、自分そのものを物語に投入する!

発想が鬼すぎる!


思いついたからと言ってやるか?

彼女らはやるんだよなあ。



憑依?転生?そんなもん、とっくに通り過ぎましたがナニカ?的な!

大体感覚的にいうと、文化発祥としては、男性向け二次の

5年以上は先にいってたんじゃないかなあ。下手したら8年ぐらいかも。


そう、転生二次が主流になる2008〜2010のはるか以前。

2000〜2003年ごろには、女性向けは既に魔改造なんて通り過ぎ、

憑依を経て、転移転生もこなし、オリ主まで到達していました。

そして、あっさりと夢小説を生み出していました。

生み出しただけでなく、主流の1つになっていました。


凄まじいアイディアの開発速度ですね!

大勢の人目にはつけない、と割り切ったがゆえの、やりたい放題。


欲望にブレーキをかけないその態度が、アイディアの加速を生み出したのでしょうか?

やはり下手に否定し、欲望にブレーキをかけてはいけないのだ(確信)。


男性向けなんて、未だに夢小説的なものなんて全く受け入れられてませんからね。

やっぱり、世間から「キモイ」とか叩かれるのをギリギリで恐れてるんですかねー?

まあ、実際叩かれるでしょうねー。言われるでしょうねー。

それが怖くてやれないは、実際あると思いますね。


今となっては、有名所にシステム的サポートがないのもあるけど。

こうみると、男性とは欲望全開のようでも、世間体を割と気にしてるのかもしれない。


実際、女性たちは、カップリング論争で激しいバトルを繰り広げるとはいえですよ。

責め受けの対象そのものには、タブーらしいタブーがなかったり、

どんな突飛な凸凹ペアを考えても、褒め称えられたりしてますから。


「妄想を肯定する!」という創作文化に必要な「核の理解」そのものは、

男性よりも、影に生きる彼女たちのほうが成熟してるかもしれません!




ただ、そんな成熟……というか熟しすぎて腐……ヤバイ領域に突入した女性小説文化ですが、さっきのような検索避けなどの強い壁があり、男性向け小説とはあまりアイディア合流がありませんでした。

とはいえ、イレギュラーは常にどこかにいるもの。

男性が女性向け文化にいくことはあんまないんですけど、逆は時々ありました。

もしかしたら、転生とかも、彼女らが運んできたのかもしれません。

確か、ゼロ魔の流行のきっかけとなった作品の作者は、女性だったような気もするし。

んーむ。ほんと半端ないぜ。



おっと、今ゼロ魔の名前が出ましたが。


女性向けも、そういうメインストリームとなった作品があったのか?


と言われたら。


それはありました。


つぎはそれを説明しましょう!






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王者、それすなわちテニヌのことなり!

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では、そんな彼女たちの二次創作文化の遷移を軽く説明しましょう。

全部言ってたらキリないので、一部だけ。



ネット以前〜 キャプテン翼・幽遊白書・聖闘士星矢他

       忍たま、ジョジョ

00年以前 〜 ホイッスル、遊戯王、最遊記、H×H

00年以降 〜 テニスの王子様(10年以上いた)・ナルト・ガンダムSEED

03年以降 〜 ブリーチ・Dグレイマン・リボーン・銀魂・戦国BASARA・鋼の錬金術師

05年以降 〜 ヘタリア・おおきく振りかぶって

10年以降 〜 デュラララ!、TIGER&BUNNY、黒子のバスケ

近年   〜 イナズマイレブン、ハイキュー!、ヒロアカ、おそ松、刀剣乱舞


こんな感じですね!


男性たる筆者が直接通っていたわけではないので、有志の情報ですが。

でもまあ、漏れ見てきた情報からすると、

大体間違ってはないんじゃないかなと思います



んで、外からみて、影響が明らかに多いというか、男性のところまで

「はみ出して」いたのは。


忍たま、ジョジョがチラ見っていう出現率ですね。

ん?なんか今、変なのが見えたような?って感じの。


そして、チラ見ですまない衝突率だったのが。


テニプリ、ヘタリア、デュラララ、タイバニ、黒子のバスケ、おそ松、刀剣乱舞。

などでしょうか。

特に、タイバニやおそ松以後は、ネットの発達とオタクへの偏見が薄れる時代の流れもあって。

割ともう隠れることがなくなってきていたと思います。

検索避けとかも、廃れてきた時代でもあるかな。



※凄く個人情報ですが、デュラララ!及び作者成田良悟のデビュー時から

 氏の作品を読み、2chとかも見てた筆者としては、アニメ化時に。

 氏の作品が『露骨な腐狙い』と『男性視聴者に』当時言われたのは

 非常に納得が行きませんでした(笑

 アニメ化前の2chの作者スレじゃ、男ファンしかいなかったし!

 『萌え文化に対する、非常に熱い作家だ!』とか言われてたし!

 全く。アニメ化すると、よく分からんデマが飛び交うので困るぜ。

 成田良悟は、ラノベ時は99%が男性ファンですよ。普通に。



ま、それはさておき。

この中でも、筆者は特に。

テニプリ・ヘタリア・黒バスあたりの印象が強いですね。


これらは、移り変わりが激しいと言われる女性向けの中でも、

かなりの『長期政権』だったとも記憶しています。




では改めて、流れを追っていきましょう。




そうですね……。ネット普及直前だと、

「キャプテン翼」「サムライトルーパー」「聖闘士星矢」などの二次から始まってるのかな?

そんな感じだったらしいです。


おっと「忍たま乱太郎」がありましたね。

やつの沼への引きずり込み方は非常にやばかったらしいですね。

なんせ超長期に渡ってアニメ放映してましたしね。

登場キャラ男ばっかですしね。ショタコンも増やしたことかと。



そして……ネット普及前後。


ここらへんだと「ホイッスル!」というジャンプサッカー漫画が、

男性向け二次でいう、エヴァかKanon文化に相当する感じですかね。

女性向け二次小説文化の始祖は、大体ここらにあるらしいです。


何故かと言うと、夢小説機能を作った人が「ホイッスル」にハマってた人だったからですね。

始祖の影響は偉大なのだ。



しかし!女性向けにおける文化としては、まだまだ序章。


そして其の次におこった真のムーヴメントの前にはまださざなみ。

本当のムーブメントの主役が、2000年ごろに訪れます。


その名も。



『テニスの王子様』……通称、テニプリ、です!



こいつの存在は半端ないですよ!


男性向けでいうと、ゼロ魔となのはを足したような影響力でしょうか。


この一言だけで、分かる人にはやべーなと分かるもの。

マジでこれの影響力というか、普及力はやばかったですね!

これだけは筆者も知ってた。

まー色んな創作女子たちが、ここを通過したんではないでしょうか!

筆者は男性だったけど、テニプリの夢小説だけはなぜか時々読んでました!


いや、あまりにも数が多いせいか、時たま表世界に普通に紛れ出てくるというか。

なんか普通に巡り合っちゃうんですよね。

そんで、母数が多いせいか、男性が読めるのもたまにある、みたいな。

そんで半端ないカルチャーショックをうける、みたいな。

この作品の覇権は、相当長く続いたはずです。それこそ6〜10年ぐらい。




ちなみに、流行ったジャンルは、基本的には『逆ハーレム』と呼ばれるものです。

通称逆ハー。




まあ、名前だけで分かりますね。

ヒロインを多数の男が囲むジャンルです。


男性向けハーレムとの傾向の違いを言うと

『取り合う』というところにあるでしょうか?

男性は迫られたいはあっても、取り合われたいは弱いと思うなあ。


あと、傾向的に、こっちからアタックするより、押し倒されるようなのが多いように思います。

氷帝跡部様とか「アーン?」とか言いながらバンバン夢主を押し倒してました。

ボーリングのピンのように倒しまくりです。なるほどストライクじゃねーの。俺様の美技に酔いな。


そんな感じでですね。

男性向けハーレムが「誰もハブにしたくない!」からきてるとすると。

女性向け逆ハーは「ふさわしさNo1を証明して欲しい!」というのがある気がします。

逆ハーといいつつ、最後には誰か1人とだけ結ばれて終わるとかね。

男性向けに比べ、マジでハーレムにはほぼいかない。

男性からは、考えられないオチになるのが多いです。


ここらは男女差というか……遺伝子的な欲求の差ですかね。

異性向けの作品を批評するときは、男女の本能差も考えてからいいましょうね。

男性向けハーレムはキモいけど、女性向けハーレムは最後1:1だから良い、とかそういう話じゃないんですよ。

それ単なる遺伝子の好みの話で、片方の快感を正義としてるだけだからー。

片方の正義を押し通すのみが、公正社会ではないのです

  ※このエッセイは社会学の授業も兼ねています(多分

  ※というか、自分がターゲットじゃない作品批判はそもそもやめよう



ちなみに当時の主人公の特徴は、『無個性主人公』が主流です。

夢主……読み手そのものが主人公である以上、下手に個性をつけないのが普通。

まあ、あんまりファンキークッキーな特性をつけると、感情移入できなくなってしまいますからね。


これらの無個性キャラに対しては「憑依」の原型あるいは類似となるような

「成り代わり(or入れ替わり)」というのもありました。

原作キャラと「成り替わって」自分が登場する、という感じですね。

今の流れの原型だらけですね!



ストーリー的には……そうですね。



容姿は平凡、性格も普通。

そんな主人公は、氷帝とか作中有名校に通っていて、

跡部様なり原作キャラと偶然出会ったりするんだけど。

「興味ない」とかいっちゃって。そんでそれをうけて原作キャラが

自分にキャーキャー言わない主人公に興味を持ち

「お前、おもしれーやつじゃん」みたいに言われ、始まるアタック……的な。

そんなんが多かったかな。



まあ、なんか知らんけど、やたら面白い奴、扱いされるのは様式美でした。

平凡設定なのに。

おかげで、あまりそれらに耐性のない筆者の脳に。

「夢主は面白い奴!」という刷り込みができました。



そこらへんからの。

『興味ないがゆえに興味もたれる』も様式美ですね。いわゆるテンプレです。


作中内で、大人気という設定の男キャラたち!

でも主人公は、人気だからという色眼鏡で見ない!むしろ冷ややか!

でもそこに痺れる憧れるゥッ!

そんな主人公を面白がるキャラがいたり、落ち着くと言ってそばにいたがるキャラがいたり。


ここらへんの流れは、今も受け継がれてる気がしますねー。

男向け小説でも無数にありましたからねえ。

「何故私に惚れないの?」というような高飛車お嬢に惚れられる主人公的な。


ハーレム、逆ハーの輝かしい王道といえるでしょう。



ちなみに、キャラの型は「無個性型」の他に、まだあります。

これもテニプリ以後に生まれた型ですが。



それは……「オリキャラ型」という型です!



それは、無個性主人公の反対の型……。

強烈な個性をもった、オリジナルキャラ。その誕生です。

魔改造とは似て非なるものが、そこにはありました。


無個性主人公に対する反動の、オリキャラ型とはなにか?

それは、アクの強い男キャラたちに対抗するようにできてきたもの。

同じように、アクの強い主人公!


無個性とは逆に、容姿設定もきっちりしていて。基本的に美人。

能力も、趣味も、全てが設定済み。その上、大体高能力。

強い意志と能力をもって、男を落としたり、ライバル女を蹴落としたりしていきます。


見てて「スカッ」とするような、強い女性主人公ですね。

女性版俺TUEE主人公とでもいいますか。


あるいは、愛され型とでもいうべきか。おバカ型ともいうべきか。

時に調子にノリまくったり、それがミスでコケたり、それも微笑ましかったり。

ひたすら天真爛漫に振る舞い、おバカさやドジさを振る舞い。

でも、そこが愛される!可愛らしい!見てて楽しい!というような。

見てて「ほんわか」「ニマニマ」するような、そういうキャラたちもでてきました。

女性版鈍感型主人公とでも言えるでしょうか。


そういう、とっても自己主張の強い主人公たちが登場していきました。


また、無個性型が短中編に多かったのに対し。

オリキャラ型は長編に多く現れたようです。

無個性だと、長い話には向かなかった、というのもあるでしょう。



夢主→憑依・転移・転生→無個性主人公→オリキャラ時代


そんな感じで、女性向けは、隔離空間ながらもひっそりと。

しかし、爆発的な進化をとげていったんですねー。



あと、ついでなので、男女の好みの傾向差についても

話しておきましょう。





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補足!男と女はやっぱり違う生き物なんだなって

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さて!

男女の違いですが!


女性向けにおいて、男性と違う点といえば

「取り合う」の他に、まだあります。



     それは……「不幸」!



そう、なんかしらんが、女性向けは

男性向けより圧倒的に「不幸」を楽しむ物が多い!



そして、その中でも、特に目立つジャンルがありました。


それは……。



『嫌われ系』あるいは『いじめられ系』とかとも言われるジャンル!

その存在ですね。



例えばテニプリで、テニス部とかのマネージャーにつくとですね。

ライバル女子マネから、ものを盗んだりイジメをしたりの、濡れ衣を着せられるわけですね。

そういうふうに、ライバル女子から『いじめられ』たりして。

其の結果、男たちから蛇蝎のごとく『嫌われる』という……。


ちなみに『誤解』で嫌われるのが多かったように思います。

一部の賢い系男子はなんとなく裏に気づいてたりしますが、気づかない場合もあります。


こっから、色々紆余曲折のすえ、ライバル女子に反撃すれば『ざまぁ系』となりますね。

コレは今も、なろうに通じる王道ですね!


派生して『嫌われの罠にはまった、主人公に変わって復讐する』という。

代行ざまぁ、のようなものもありました。んーむ、深い。



『悪役令嬢』の流れでもあります。なろうにもちゃんと繋がりましたね!感激です。



ざまぁ系には、平凡以下の容姿の主人公が、なんか色々あって見下されたり嫌われたりして。

そんで全力だして綺麗になって、見下したやつを見返すというのもありましたね。



でも、こういうかもしれません。

こういう、見下した側を、後々見返すというのは、男性でもありませんか?と。

確かにあります。

近年の流れだと『脱退系』というか。



有能なオッサンかなんかを首にして、それで首にしたパーティーなりなんなりが後悔する……。これも、ちょっと前に流行った流れですが。

ていうか、源流だったらはるか昔からありますね。首にしたところが、かえって苦労するやつ。

『盾の勇者〜』みたいなクラスメイト転移からの脱落組も流れはそうだし。


あるいは、イジメて追い出したりしたところが苦労したり、ひどい目にあうやつ。

まあいうてしまえば、一種の昼行灯系なんで。これも10年以上前からあります。

つーか聖書からあります。ノアの方舟とか言ってしまえばそうだし。

つまり、テニプリは聖書(バイブル)だったんですね(違う)(違わない)。



脱線しました、確かにここまでなら、男女問わずありますね。

ついでにいうと、ネタの宝庫ですね。

作者諸君、未来の流行りを先取りするなら、ここから色々取れるぞ!

なんせ一度流行ってるからな!

あとはちょいちょいとアレンジするだけだ!



……と、そんな煽りはさておき。



ただ、男性との違いはここからです。



女性向けは……男性向けと違い。



『嫌われたまま終わる』『誤解されたまま終わる』。



という『悲恋系』が多く存在しました。


嫌われて終わるんでなければ、誤解が解けると同時に死ぬとか。

死ぬ直前に解けるとか。そんで男が後悔するとか。


いや、そもそも虐められ系でなくても、悲恋系は大人気で。


結ばれると同時に別れる。あるいは死ぬ。

両方のときもあれば、片方のときもあります。

結ばれる直前のときもあります。


とにかく、悲恋で終わる。


いや、男性向けでもありますよ?ありますけど。

流れとしては全く主流ではないですよね。

女性向けでは、明確に主流の1つでした。



「切なさ!」



これが、女性向け作品を理解するときの一つのワードだったように思えます。


切なさ乱れ打ち(せつなさみだれうち)的な!

切ないのがいいのか!?不遇がいいのか!?

そのとおり!的な。


なんか女性はやたら男性と比べて、切ないのを好む!

スカッとしたいというより、陶酔したい欲求が高いのかな?

男性は英雄譚を好むなら、女性は悲劇のヒロイン話を好むのでしょうか?



まあ、原因はいいでしょう。

大事なのは、切なさがウケるという事実です。


切ないことは、愛おしく、そして美しい。


男性向けとは違ったムーブメントが、確かにそこにありました。



そして、これらが全て、2000〜2005年ごろにはほとんど出尽くし。

成熟していました。半端ないなー。



しかし、なんでそんな速度で成熟を!?



閉じた世界だったから逆に好き放題できた!

それもあります!


しかし、もっと適切な理由があります

次は、その理由を、お話しましょう!


そして、それらが発展し、消滅した後にできた、ある運命的な出会いもね!



続く!



———————————————

※覚書 12000文字

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