ただひたすらに、情熱が溢れ出している一作です。緊張感ある第一話と、段々とそれが緩和していく過程もまた面白かったです。自分の持つ全てをかけて、勝利をもぎ取ろうとする主人公の姿は、非常にかっこよくて、心惹かれました。
少女と硝煙、そそります。ひとつの趣味に取りつかれ、没頭していく姿は(それがどんなものでも)熱量を感じるものです。今回はミリタリーなもの、さまざまな銃などがたくさん出てきますが、ルビもあいまってカッコいい。それに尽きます。相手を狙い澄まし、経験値によるプライドをかけて、一瞬を狙い撃つ。可憐な少女がのめり込む世界、その意外な取り合わせが、より魅力的です。
作者様が、楽しんで書かれたのだろうな、と想像できる、熱量を持った物語。最初の緊迫感のある描写から、後半は一転――。どうなるのかは、ぜひその目でお確かめください!
1000人が降下した絶海の無人島は、銃弾が飛び交う硝煙の匂い漂う世界へ。身体は思うように動かせず、銃器が重い。それでも、ただ一人の頂点を目指し、ショットガンをぶっ放す。この作者さまだからこその動きのある描写と、緊迫感が漂う前半戦。細かい心理描写に、深い知識がこれでもかと描かれます。わたしは、ここだけでもOK! いつまでも、この世界に浸りたいと……。しかしながら、この作者さまはこれだけで終わりにしてくれません。ガラリと趣を変えた後半戦は――それは是非とも、貴方の目でお確かめください。
冒頭と結末で印象が一転する短編。詳しく書くとネタバレするので控えますが、熱い戦いが、ここにはあるんです!