5-4 結婚という制度はうまくいっていない
A:さらに、「結婚という制度は、うまくいっていない。離婚が多いのはそれを物語っている」ともいっている。
よむ子:そんな具体的なことも……。
A:確かに、2012年の人口動態統計(日本)では、結婚件数66万9000組に対して離婚件数は23万7000組だから、それは当たっているよね。
よむ子:何か良いアドバイスはないの?
A:結婚を、1度しかできない約束ではなく、必要ならやり直すことのできるものと考えるべきだといっているんだ。
よむ子:やり直す……?
A:分かりやすくいえば、結婚がうまくいかない時は、離婚や再婚もあっていいということだね。
1人として同じ人間はいないから、まったく同じ愛はあるはずがない。
愛がつねに無条件かつ無制限で自由なものなら、愛の表現はいくつもあるはずなんだ。
そういう観点からすると、ひとりだけを夫婦というかたちで愛するという結婚の制度が、一生変えてはいけない義務だとすれば、その制度はうまく機能しないだろうというんだよ。
よむ子:なら、どうすればいいの?
A:とくべつな愛をひとりだけに示したいと思う時が来たら、それを表明しなさい。しかし、それを義務としてではなく、自由の表明とすることだといっている。
つまり、結婚がうまくいかない時には、離婚や再婚もありうるということなんだね。
よむ子:でも、離婚は子供にとっては不幸なことだというわ。
A:そのとおりだね。
ここでは、男女の愛ということにしぼった話だとして、聞いておいてね。
育児や子供の教育については、別のところに書いてあるから、またの機会にしよう。
〈つづく〉
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