5-1 人間関係の基本は愛情
よむ子:人間関係って職場にあるよね。
A:そう。それだけじゃなく、家庭、学校、会社、地域社会などあらゆる所に、人間関係は存在している。
そのうちでも、最も基本になるのは家庭だね。 親子、夫婦、兄弟姉妹は、最も基本的な人間関係だよ。
よむ子:最も基本的って?
A:生まれてから一番最初に出会う人間関係だからね。母親から生まれたら、すぐ親子という人間関係が始まるだろ。
もちろんそれ以前に、夫婦という人間関係があるから子供が生まれるんだけどね。
よむ子:学校友だちならすぐ分かるけど、親子、夫婦も人間関係なんだ。
A:そう。恋愛も人間関係だよ。
よむ子:恋愛も……。
A:恋人どうしの人間関係といえるよね。恋愛は、人間がもっとも深くかかわる人間関係だといってもいい。
「人は恋をすると変わる」というのを、聞いたことあるかな。
よむ子:あるわ。
A:恋をすると視点が変わるんだ。「自分一人」という考えから、「私たち二人」という考えになる。考える視点が変わる。よむ子さんも恋をしてみれば分かるよ。
よむ子:「私たち二人」って……?
A:別々じゃなくてひとつになるんだ。そしてその二人に子供が生まれると、さらに視点が変わる。男-女という視点に、親-子という視点が加わるんだ。
よむ子:女性は母親になる。
A:今の話でおもしろいことに気付いたかな?
よむ子:……。
A:「私たち二人」と思っている恋人がさらに接近すると、「一つの私たち」となるんだ。
心身ともにそうなれば、そこに子供が生まれる。「一つの私たち」が、新しい生命の形つまり子供として誕生する。
よむ子:わあ、すごい。
A:何が二人を一つにすると思う?
よむ子:愛情かな。
A:そう。愛は、相対する二人を一つにする力を持っている。人と人を結びつけるんだ。磁石のようにね。恋人どうしは、愛の力によって一体化し、新しい命を生み出すんだ。
よむ子:愛って何だろう?
A:愛は、互いに与え合う慈しみの情といえるかな。人間関係は愛情をベースに、成りたっているんだね。
愛はすべての源といってもいい。
よむ子:神は愛なり、ね。
A:そう。愛情が人間関係のベースにあるということは、人間関係の形によって愛情も形を変えるということだよね。
恋人なら恋愛感情だね。友だちどうしなら友情、親子なら親子の愛、夫婦なら夫婦愛のようにね。
〈つづく〉
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