4-5 他人に経験させたことは、必ず自分が経験する

よむ子:他にはどんなことをいっているの?


A:「他人に経験させたことは、いつか、必ず自分が経験する」といっている。


よむ子:どういうこと?


A:それを説明する前に、魂について「そもそも論」をいうよ。


 前に魂について話したね。それをまとめてみるよ。


①人間は、魂-精神-身体の3層からなっている。


②神は自分を実感的、体験的に知りたいと思って、宇宙を創造した。


③神は、自分の分身として魂を創った。


④神は、魂が神性(すなわち神自身)を体験できるように、神性を展開して宇宙を創造した。


⑤魂の宿る人間が、人生のいろいろな出来事で神性を体験することによって、神は自分自身を体験的に知る。


⑥魂は、ソウルメイト(魂の友達)のグループを作っている。


 こんなところかな。ここはいい?


よむ子:ええ。それは覚えてるけど、さっきの「他人に経験させた……」というのとどう関係するの?


A:魂の世界では、自分と他人は、個別性はあっても全てがつながっているというんだ。


よむ子:個別性?


A:個性と同じといってもいいかな。全てがつながっているから全て一体かというとそうではなく、それぞれに個性があるというんだ。


 それを家の中の空気に例えて説明しているよ。


よむ子:家の空気……。


A:家の中で、空気はすべてつながっているが、部屋ごとの独特の空気があるよね。例えば、台所なら食べ物の香りがする、リビングルームではそれ特有の香りがするというようにね。


 家全体の空気は、魂の世界全体のことをいっている。


よむ子:じゃあ、部屋ごとの空気が個々の魂のこと。


A:そう。家の中の空気はすべてつながっているのに、台所なら食べ物の香り、リビングルームは花の香りというように、部屋ごとの空気はそれぞれ違う。


 なのに、台所の空気とリビングルームの空気が、完全に分かれるところはないよね。


よむ子:そうね。台所からリビングルームに行けば、台所の香りがだんだんうすくなって、リビングルームの香りが濃くなる。


A:家全体の空気はつながっていて分離できないが、それぞれの部屋特有の空気はある。


 よむ子さんは、台所で料理をこがしたことはない?


よむ子:たまにある。


A:そうすると家の中はどうなる?


よむ子:こげた臭いが家全体に広がるわ。


A:そうだね。台所から離れた部屋にいても気付くよね。


よむ子:う一ん、分かった。魂はそれぞれの個性はあるけど、みんなつながっている。1つの魂に変化が起これば、全体の魂に影響する。


A:そのとおり。自己の魂が変化すれば、他の魂もそれに連動して変化する。他の魂に変化が起これば、自分にも波及する。


 だから、「他人に経験させたことは、いつか、必ず自分が経験する」というんだよ。


よむ子:そうなんだ。じゃあどうすればいいの?


A:他人に対して良いことをすれば、自分にも良いことが起きる。その逆もいえるということだね。


 聖書の言葉に、『自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい』(新約聖書マタイによる福音書7章12節)とあるのは、このことをいってるんだよ。


〈つづく〉

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