4-3 人間関係で人間は成長する
よむ子:人間関係で人間は成長するのね。
A:山奥で隠とん生活をするならともかく、普通の社会生活をしている限り、人間関係の無いところはまずないからね。
人間関係の中で起きるさまざまな出来事にどう向き合うかを、自分で決めて行動する。それによって自己を表現し、自分自身を成長させていくんだ。
よむ子:色々な人がいるから、人間関係って大変だわね。
A:そうだね。個性は人それぞれだから、人間関係はすごく複雑になる。
「人間関係が、もっとも濃厚な出来事を、一番多く提供してくれる」というのもうなずけるよね。
『神との対話』では、複雑な人間関係の中にあっても、「自分自身を大切にすること」を強くすすめているよ。
よむ子:自分自身を大切にする?
A:自分自身の考えや体験、実感、感情を大切にしなさいといってるんだ。
今ある生活習慣、社会常識、教養などは、過去に生きた人々が作り上げた他人の考えだといってもいい。
よむ子:確かに、人から教わったものがほとんどだわ。でもそれでうまくいくの?
A:もちろん社会生活をしている以上は、他人の考えを尊重しなければやっていけないだろう。しかし自分の体験や実感は、もっと大切にしなさいというんだ。
これは、「神性を体験している自分だ」という意識をたえずもって生きなさいという、『神との対話』の基本的なスタンスからいっている。
よむ子:人生で神性を体験している、だったわね。
A:新しい人生で新しい絵を描こうと思っているのに、他人が作った古いものばかりに従っていたら、せっかくの絵が台なしになってしまうんだよ。
もちろん他人が作った過去のものは、描く基本を学ぶには必要だよ。
ただそれに全て従属していたら、同じレベルの体験の繰り返しで、少しも人間が進歩しないよ。
よむ子:他人はどうでもいい?
A:そんなことはない。これは、「利己的」になれということではないから、間違えないようにね。
自分を大切にするからといって、他人はどうでもいいということにはならない。かえって、自分を大切にするからこそ、他人も大切にできるといえるんだよ。
要するに、自分も他人も全ての人が「神性を体験している」ということを、しっかり自覚して生きなさいということなんだよ。
〈つづく〉
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