ブランコと北極星

幸葉 紡

ブランコと北極星

小さい頃、必死に漕いでも見えない景色があった。

あの夏の入道雲には手が届くと思ってた。


あの頃の青春は遠く色褪せ

微かな痛みを与えて大人になったことを

知らせてく。


必死に漕いでたブランコは

今や漕がずとも夜の町を見渡せる。

星と月と飛行機と

家庭の光が夜を照らしながら。


僕は地上の北極星に帰るのだ。



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ブランコと北極星 幸葉 紡 @Sachiba_word

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