第100話 肺炎になった時の事1

 結婚した翌年の八月の終わり頃、39度台の熱を出した。

 それが金曜日の事で、土日を挟んでも良くならなかったため病院へ。


 何か楽になる処置や薬を期待して行ったのだが、レントゲンをとっただけだった。


 そしてその時の先生のセリフ……


「ハッハッハッ、肺炎だね」


 明らかに、軽く笑ってた。


 そしてさらりと「入院だね」


 えっ、そんないきなり?

 あんまりにも私が困惑していたからか


「うーん、仕事忙しい?」


「はい(本当は、激務ってわけじゃないけど)」


「じゃあ薬と通院で様子見るか、でも酸素はかってみよう」


 と言って、酸素をはかられると


「うーん、うーん、ギリギリだなぁ。うん、じゃあまぁ、木曜金曜辺りまで熱が下がらなかったら、もう入院だからねその前にも辛くなったらくるんだよ。それまでは薬で治療していきましょう」


 と言われ、何とか即入院は免れた。


 でも、その後熱と息苦しさで、今まで味わったことがないキツさを体感し初日の夜にして、入院しなかったことを後悔した。


 色々調べてみると、入院すると10日ぐらいかかるらしい。


 ああ……どうしよう、入院する?ってか、入院したら眠れる?と高熱で朦朧としながら考えていたら、ひさびさに熱が37度台になった。


 やった!息は苦しいけどあきらかに昨日までとは違う。

 これなら入院しなくてOKかも。


 なーんて甘いこと考えていたら次の診察の一週間後の火曜日にさほど診察を受けることもなく


「入院だね」


 とあっさり言われたのだった。


 そこで先生は


「一人暮らし?」


 と聞いてきたので


「主人と……あ、今日、主人もきています」


 と言うと、診察室の中に呼ぶように言われ夫が入ってきて入院だと説明された後すぐに、車椅子と酸素ボンベがやってきてあっという間に重病人化された。


 タクヤくんの仕事は普段、激務なのだが、一つのプロジェクトが終わると約3週間ぐらいの休みがもらえるのだ。

 丁度この時はそのお休みの最中で、病院に付き添ってくれていたのだ。


 というわけでこれは私の人生初の入院の始まりだった。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る