第101話 肺炎になった時の事2

 入院する気がなく診察に来たくせに、すっかり朦朧とした状態になって車椅子に乗ったまま、入院のための検査がおこなわれ病室についた頃には、結構グッタリしていた。


 にもかかわらず、そこから入院のための質問を新人らしい若い看護師さんから色々と受けることに。


 その時に、傍についていてくれたタクヤくんに対して


「どんな関係ですか?」


 などと言われる。


 どんなもなにも、こんな状況下で傍にいてくれるんだから普通、旦那じゃね?


 でも、朦朧としてるからか

 ああ……勝手に旦那と決め付けちゃいけないからそう聞いたのかしら、なんて思いながら


「主人です」


 と答えたんだけど、後から入院してきた人に付き添ってた男性がいてもまったく、そういう聞き方はしてなかった。


 私に「一人暮らし?」と聞いた先生といいこの「どんな関係ですか?」と聞いた看護師さんといい、よっぽど私が結婚しているようには見えなかったらしい。

(あのデブが結婚してるはずないってか・笑)


 入院前から食欲がなくて、ゼリー系の物ぐらいしか食べられなかったのだが、今回ご飯を食べるにあたって


「ご飯を食べるって、こんなに疲れるものだっけ?ああもういいよご飯、面倒くさい」


 とすら思ったものだった。


 毎食後に、酸素量などの検査にくる看護師さんにどれぐらい、ご飯を食べたかを聞かれるんだけどその時に「全部」と言えるまでの道のりが私にとっては遠かった。


 それでも、あんまり痩せなかったんだよね。


 入院中、7割がたの期間を鼻に酸素を入れて生活していたのと、終わりがけまで頭を洗えずじまいでいたこともあって、トイレ以外の場所に行くことが無く売店にも行かなかった。


 13日ほどでやっと退院出来た日の次の日には、今度はタクヤくんが高熱を出すという事態がおき私は病み上がりの体を休めるどころでは無くなったのだった。


 仕事が休みだったからね、毎日のように病院にきてくれた。疲れが出たのだろうか。


 何となく私の時に症状が似ている気がしたので、病院に連れて行くとタクヤくんも、軽いものの肺炎だと診断された。


 二人とも、うつる肺炎じゃないのにこの偶然性。

 タクヤくんは薬だけで入院は免れたけど、二人して大変だった。

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