その後のこと、追加のこと

第99話 現在の母とターロ

 みーたんたちと暮らしていた時もそうだったが、家を出てしまうとうちの母親は私にお給料を全部出せと言うようなことは無くなる。


 ただ、生活が一杯一杯で年金を払ってこなかったので、老後生活にも余裕は無い。

 持ち家なので生活費を切り詰めれば、ターロのお給料で何とかはなっているようだ。


 母も三年ぐらい前までは働いていたのだが、交通事故に遭って元々悪かった膝を更に悪くして、今は家の中でも杖を使うぐらいになってしまった。


 体の状態はそういった感じだが、先日75歳を迎えたけれど頭はしっかりしている。


 交通事故は、青信号の交差点を自転車で渡っていた母に車がぶつかってきたというものだった。

 そして完全に相手が悪く、たまたま軽傷で済んだから良かったものの、ターロはそれに対してかなり怒っていた。

 そのために裁判を起こして、100万円程の和解金を貰って終わりになった。


 本来、お金の事に関しては母の方がガメツイのだが、この交通事故の件に関しては母よりターロの方が執着していた。


 母は途中で面倒になったのだろう、「もういいよ」と言っていたようだが、ターロはもっと闘いたいようだった。

 その時の賠償金もあるからだろう、私にお金の無心をされる事は無い。



 そして母たちと一緒に住んでいたS兄ちゃんなのだが、四年ほど前に心臓発作で痛みを訴えてその日のうちに亡くなった。

 突然の事だった。


 なので今実家には、母とターロだけだ。


 私がガンで入院していた時、仕事で付き添えない事が多い夫に変わってターロが埼玉に来てくれたのだが、母も足が悪いわけでそう長くこっちにいられないという事で行ったり来たりで三回ほど来てくれた。


 まぁそれなりに円満な関係なのかもしれない。

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