第92話 部屋探し
探す家の条件としては、家賃は今タクヤくんが住んでいるマンションの家賃7万5千円と同額以下。
場所は中野周辺(都内であり、各所に通いやすそうなところならどこでも良かった)。
間取りは2DK以上。バストイレは別。
後は実際に見てみた具合で検討するという感じだった。
まずはネットで軽く目星を付けてから、そこの物件をだしていた中野駅近くの不動産屋に行ってみた。
だけどさすがに都心で2DK以上を希望するのに、7万5千円以下では築年数が古過ぎるところばかり。
タクヤくんはそれでも問題なさそうだったが、私は見て回った一部屋が、昔ながらのバランス釜方式だったのを見て拒否反応を示す。
私は子どもの頃に住んでた借家が、このバランス釜方式だったのだが、子どもだったからだろうか、中々上手く付けられずガス臭くさせた経験があり平成の時代にこの方式のお風呂の家に住むなんて嫌だと思ったのだ。
しかも何となく、タクヤくんの様子を見ているとバランス釜を知らなそうな感じで、ここに決めて後から
「何だこれ」
なんて事になるのも嫌だと思い断固拒否しようとした。
ところが、それでケンカになってしまったのだ。
そもそも、中野周辺に住まなきゃいけない理由は無い。
もっと安い家賃の地域に住めばいいと思っていたからこそ、何で築年数50~60年経ってそうなところに住まなきゃいけないんだと悲しくなったのだ。
タクヤくんは、古くても問題無さそうな考えで何より、何年も吉祥寺周辺に住んできた彼にとって、中央線沿線である中野は妥当な場所だと思っていたのだろう。
でも私はどうしてもバランス釜の家や築年数が行き過ぎている部屋は嫌だった。
なので大宮に住む提案をしたのだ。
いきなり埼玉だなんて却下されるかと思ったが、何だかんだ言っても私の希望も考慮したいと考えていたくれたのだろう、彼は快く大宮に部屋を見に一緒に行ってくれたのだ。
現在は横浜だが、その後は都内の何処かに通う事になるだろう彼の事も考えてあげないとと思ったからこそ遠いが鉄道の種類が多い大宮を提案した。
しかもそれだけではなく、ここは思い切って『ペット可』のところに住もうよ、と言うと猫好きな彼は乗り気になってくれた。
さすがに大宮までくると、予算内でありながらペット可でしかも3部屋もあり築年数もまぁまぁなところが出てくる。
内見に行った部屋で、今まで見てきた中野周辺の部屋と違い広くて、、綺麗でしかも安くてペット可なところに二人して気に入り、その部屋に住もうと決めたのだった。
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