第93話 本格同棲開始

 本格的に二人で暮らす部屋は大宮の3Kペット可のお部屋に決まりました。

 しかもね、ここ余程借りる人がいないのか水道代まで込みという家賃、スゴイ。


 せっかくペット可の部屋に住めるという事で、うちの実家で数ヶ月前に生まれた子猫を飼う事にしました。


 今まで書いてきませんでしたが、私は物心ついた頃から犬や猫に囲まれて暮らしてきました。

 なので実家を出ても猫と暮らせるってとても嬉しかったです。


 この部屋は中野の時のように、前もってネットで調べてというやり方ではなく、大宮駅前の不動産屋さんに飛び込んで希望の条件を言って提案してもらった部屋でした。


 なので大宮を選んだという事以外は私は、特に場所指定をしたわけじゃないのに何と!みーたんたちと暮らしたマンションと同じ町内だったのです。


 私が中野から大宮を選んだ理由の一つには、みーたんたちとの暮らしで土地勘があったから。


 この時私は36歳になっていたので、あの年末にみーたんのところを飛び出してから約8年ぐらい経っていた。

 4年弱暮らしたところだったけれど、8年ぶりに戻ってくるととても懐かしい。



 部屋が決まったので実家に戻って住民票を移す手続きとネコの準備をした。

 住民票を移すけれど、結婚ではなくただの同棲なのでお互いに世帯主になる戸籍で、少し寂しかった。

 もうここまできたら、結婚でも良くない?と私からタクヤくんに詰め寄ったが却下されてしまった。


 彼にとってはまだこれからが、お試し同棲なのだろう。


 引っ越しにはハイエースを借りて、横浜の部屋の物とタクヤくんの本宅の物を運んだ。


 家電製品は彼が元々持っているものと、引っ越し先の近所にあるリサイクルショップで冷蔵庫や洗濯機などを買った。


 だけど料理がしたい私にとっては肝心な、ガスコンロが無くて、料理をしないタクヤくんには重要性が分からず、しばらくの間は彼が持っていたカセットコンロで料理する事になるのだが、これに関しては少々ケンカにも発展するのだった。

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