第69話 ドラマみたい

お兄ちゃんはどう口説いたのだろう?

二人はキスをして、そのまま進んでいきそうな雰囲気。


私はお風呂というか洗面所から出るに出られない。

しかもクシャミが出そう。

我慢が出来ずにクシャミをしたら、お兄ちゃんが迎えにきた。


何これ、マンガみたいな展開だと思っていると

私の手を引いてお兄ちゃんはベッドにいる雪子の元に私を連れて行き


「はい、交代」


などと言った。


はい?交代って、みーたんとの事を知っているとは言え冗談でしょ?

とは言え、私は雪子に雪子に近づいて軽く布団をめくると

雪子は上半身裸になっていた。


私にその気は無かったが、お兄ちゃんの冗談を真に受けたのか雪子は

「女同士は嫌」

と言って体をひねって逃げた。


ちょっとこれどういう事よ、と思いながらお兄ちゃんに目でうったえると

楽しそうに微笑んでいる。


お兄ちゃん以上に、雪子が分からないわ。

修造くんが好きなんじゃなかったの?

ちょっと口説かれたぐらいで、お兄ちゃんとキスしたり

服ぬいじゃったりする?


でも、私はそれを望んでお兄ちゃんに相談したんだった。

一番分からないのは私自身か。


私は再び、洗面所の方に行った。

続きをするならどうぞという思いと、気持ちを整理したいという思いで。


だけど二人は続きをするつもりは無いようで

雪子は服を着て、お兄ちゃんはまた私を呼びにきた。

その後、お互いに落ち着いてソファーやベットに座りながら


「で、どうするの?」


と聞いた。この後という意味ではなく、雪子はこの後

本当に修造くんと会うのだろうかと、そういう意味合いで聞いた。

元々、そういう話し合いをするために今日は3人で会ったのだから。


「24日に会うよ。お互いの中間地点で」

雪子は言った。

この日は15日だったから、もう10日も無いではないか。


「私に遠慮しなくていいからね。付き合いたくなったら付き合っていいんだから」

雪子はうんとは言わなかった。


「雪子ちゃんは、そういう経験がしたいだけだよね?それと、イチャイチャするのが好きなんだよね?」

お兄ちゃんの問いに雪子は頷いた。


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