第68話 3人でホテル

この頃の私には、松くんと出会ったサイトでメル友になった人がいた。

その人とは、まったくの友達として、お兄ちゃんのような存在として

仲良くメールをしていたのだ。


今回の、修造くんと雪子との経緯を全部

お兄ちゃんには話して、相談というか私の嫉妬心のようなものを

聞いてもらっていた。


そうしたらお兄ちゃんは自分が雪子を口説いて

修造くんから離してくれると言うのだ。


なので雪子とメル友になって親しくなってもらった。


雪子は男性と仲良くなるのは好きみたいで

お兄ちゃんともすぐに仲良くなった。


お兄ちゃんが雪子に、ピューレラちゃんの彼氏と

そういう関係になるのは良く無いよ、それならば僕とそういう風にしない?

と口説いたらしい。


雪子はそれにすぐには乗らなかったが

確かに、私が良いと言ったとは言え

罪悪感があったらしく、じゃあ一先ずその事について3人で話そうか

という事になり、3人で会う事になったのだ。


とは言え、内容が内容だけに

その辺の喫茶店で話すわけにもいかず


お兄ちゃんの車でグルグルしている時に

近くに見えた大人のホテルを指差して

冗談で、「あそこのホテルは3人で入れるらしいよ、そこに行こうか」

と言ったら、成り行きで本当にそこに入ってしまった。


このホテルは車を部屋の前に付けて入るタイプで

受付を通らない。

なので3人で部屋に入り、そこで話し合いをする事になった。


話すと言っても3人でどんな話からしていいか分からず

中々本題にならない。


なのでまずは私だけ席を外して、お兄ちゃんに雪子と話をしてもらおうとしたのだ。

席を外すとしてもホテルから出るわけにはいかないので

お風呂にはいる事にした。


ここのホテルは大人のホテルだが、いかがわしい作りになっていないので

普通のマンションの部屋のようになっていて

お風呂も別の部屋で見えないようになっている。


お湯を少しだけ貯めて、足湯に浸かるような感じにして

二人が話しているだろう時間を待った。


私は一体何がしたいんだろう?


兎に角、楽になりたかった。

修造くんが私より雪子がいいと言うなら、早く引導を渡してほしかった。


修造くんと雪子に付き合えばいいと言ったり、雪子の初経験を

修造くんとしても良いと言ってみたり

だけど嫉妬したり


だから、お兄ちゃんにまで相談して

そしたらお兄ちゃんが…… あの二人、何を話しているのだろう?

もうそろそろ私も戻ってもいいのだろうか?


お風呂から遠慮しつつ、そーっと部屋を覗いてみたら

何と二人がキスしている姿が見えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る