第67話 脱未経験計画
私の考えが甘かった。
雪子が男性未経験と知った修造くんは、雪子に猛アタックした。
口説いたわけではなく、彼なりに励まそうと雪子を女性として褒めたり持ち上げたりする会話したようだ。
修造くんは雪子の事を「ゆっきー」と呼び、毎日のように彼女とのメールの事を私に報告のように書いてきた。
私とメールしているのに文中には「ゆっきー、ゆっきー」そればかり。
ひねくれた思いもあったが、嫉妬心で嫌になっていた私はいっその事二人が付き合ってしまえば決定打を打たれたように楽になれるのでは?と思い二人にそれを提案したのだ。
二人とも、それを拒否したが修造くんが
「それならば、俺がゆっきーの初めての人になるのだけは良い?」
と聞いてきたのだ。
普通だったら何言ってんの、だよね。
だけど私は散々聞いて、修造くんが男性未経験の女性を励ましたり前向きにする手伝いをしたがっているのを知っていたし一般の人に理解出来なくても、彼にヨコシマ気持ちは無いと私は信じていた。
そしてもう嫉妬でグチャグチャになっていたので、それで二人が付き合う事になるんだったらそれでいい、その方が私も前に進めると思ったのだ。
それに修造くんがそうしたいと思ったところで雪子が「何言ってるの、そんなの嫌だよ」と拒否すれば無くなる話なのだ。
なので雪子に聞いてみた、すると意外な答えが返ってきた。
「私だって、早く未経験である事を捨てたい、このまま歳を重ねるのは辛いから」
と。どれだけ修造くんに調教されたんだと思ってしまうほど雪子の口からこんな言葉を聞くとは思わなかった事を聞いた。
だけどさすがに雪子は私に悪いと思っているらしくちゃんと、私の彼氏とそういう事をするのはいけないと思っているだから彼とは断るよ、と言った。
それを聞いて私は
「誰でもいいというわけじゃないんでしょう?修造くんが良いのでしょう?だったら私の事は気にしなくていいから。二人が付き合ってもいいと思ってたぐらいなんだから」
と修造計画を進めていい事を伝えた。
嫉妬心もあったが、雪子が誰か知らない人とそういう事をする方が心配だったのだ。
それに私はもう、修造くんとは別れようと思っていたのだ。
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