女同士編

第40話 寮へ

 せっかく心の友(ジャイアンじゃない)が出来たのに、転勤してしまったと気落ちしていたがなんと二人は二週間で帰ってきたのだ。


 まだ20歳と若いが、技術はある二人。

 元の現場に戻りたいという願いを営業人事の人たちが何とかしてくれたらしい。


 彼女らが戻ってきた事によって、私は家を出る決心が固まった。


 母親が生活費が無いと言うのでお給料は全て家に入れ、その中からお小遣いとしてだけ少しもらっている状態だったので、普通に家を借りて引っ越すという事が出来なかったが、二人の住んでいる会社の寮ならば敷金も礼金も無しですぐに入居できる。


 家を出てもお金を送るという条件付で親元を離れる事が出来た。


 家は二人と同じところで、部屋は五島さんと同室になった。

 とはいえ、寝る時以外は佐藤さんと増田さんとずっと一緒に過ごした。


 五島さんも同じ仲間で仲が良かったのだが、五島さんは一般的な女性のような会話や事柄が好きだったので私たちのような深い話は興味が無いようだった。


 この頃から私はタバコを吸うようになった。

 二人の影響だった。


 そしてどんどん泥沼のように彼女ら、特に増田さんにハマっていき彼女を異性を見るような感じで好きになり始めていた。


 仲良くなるにしたがって、佐藤さんの事はプリッツさん。

 増田さんの事はみーたんと呼ぶようになる。


 みーたんはバイクの彼が亡くなった事をずっと引きずっていて、たまに夢でうなされていた。

 その解説(?)をプリッツさんから受ける私。


 それを少し嫉妬していた。

 私ももっとみーたんを知りたい、私がみーたんの力になりたいそう強く思うようになっていた。


 そこまで、みーたんを想い好きになっていた私は自分の気持ちを正直にみーたんに話す事にした。

 彼女だったら引かずに分かってくれると思ったからだ。


 彼女は私の想いを受け入れてくれた。

 そして自分も想っていると。


 私の初めての両想いは同性だった。

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