第37話 距離感
増田さんと同室に住んでいる佐藤さんが泣く理由を尋ねるも増田さんは答えなかった。
こういう事があると、私は増田さんに嫌われているのかな?
仲間に入ってくるなと思われてるのかな?
と被害妄想じゃないけれど、考えちゃうよね。
なので表にはあまり出さないけれど、あまり積極的に彼女らに近づき過ぎないようにしようと私は思ったのだった。
けれど五島さんと佐藤さんは、どんどん近寄ってきてくれて仲良くしてくれる。
だから私の方としても離れられなくて、なので増田さんに気を使いながら少し遠慮気味に近づいていった。
五島さんは歳が近い事もあり二人で遊ぶほどの仲になっていた。
佐藤さんとも本心ではもっと仲良くしたかったが佐藤さんと増田さんはいつも一緒で
佐藤さんだけ呼び出すという事は出来そうになかったので、後ろ髪を引かれる思いで距離を置いていた。
そんな中、みんなと出会って3ヶ月ぐらいした頃だろうか佐藤さんから、仕事が終わった後にファミレスに行く事を誘われた。
私は1時間弱かけての電車通勤だったので、仕事が終わった10時からファミレスに行っていたら終電に間に合わなくなる。
なので折角のお誘いだったが断った。
そしたら後日、佐藤さん経由で増田さんがすごくガッカリしていた、今度誘う時は
ぜひピューレラさんもきてほしい、と言われたのだ。
意外だった。
増田さんがそんな風に思っていてくれたなんて。
そして次はすぐにきた。
今度は増田さんが誘ってくれた。
私たちの部屋に泊まればいいからと。
私は自分が傷つくのも嫌だけど
私のせいで人が傷つくのも、とても嫌なのだ。
私がまだ増田さんの本心が分からないからと遠慮する事によって
増田さんを傷つけるのは嫌だった。
それならば、図々しいと思われた方がマシだと考えた。
なので勢いよくプールに飛び込むような気持ちで
このお泊り込みのお誘いを受けたのだった。
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