個性の消失
「僕、今日から普通になるよ」
「はあ!? なにいってんだ、お前。これまで散々、変人で通してきたってのに!?」
「そうだ」
「そりゃ、また何でだ?」
「それはね、これから先の世界じゃなんの役にもたたないからさ」
「ふーん……」
「僕だっていつまでも子供でいるわけにはいかないよ」
「じゃあ、具体的になにするのさ」
「この頑固で反抗的な性格を捨てて、色んな癖とかも消すのさ」
「へぇーー」
「世間の大人はオンリーワンなんて言うけどさ、本当は素直で従順の方が喜ばれるんだ。個性なんていらない。普通が、目立たないのが一番」
「それじゃ、この先お前の人生はなんの面白味も無いってことか?」
「そう………………。そうすれば、辛いことなんて無いでしょ?」
「そんなのお前じゃねえだろ……」
「という訳で、まずは君に死んでもらうよ……」
「ぐふっ、な、なにしやがる…………」
「普通になるためには、君は……」
不要なんだ
僕はもう一度ナイフを突き立てる。
今まで、誰よりもそばにいた「敵」に向かって。
僕の象徴である「友」に向かって。
だから、僕は大人になりたくない。
だから僕は大人になりたくない M.A.L.T.E.R @20020920
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。だから僕は大人になりたくないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます