だから僕は大人になりたくない

M.A.L.T.E.R

いつか「ごめんなさい」が通じなくなる日が来る。

その日はきっと大人になった証拠になるだろう。

でも、それで人生が終わってしまうかもしれない。死ななきゃいけない日が来るかもしれない。

たった一つの、とても小さなミスで人生を終えるのだ。

いくら数学でミスしまくっても、次がある。

でも、会社でミスしたらそれっきり。

人にぶつかったらそれっきり。

痴漢を疑われたらそれっきり。

そこに「ごめんなさい」は通じない。

小学校じゃ、「ごめんなさい」で仲直りするけど、大人はそんなに甘くない。

だから、僕は最強の責任逃れをする。

お迎えが来るまで正解を選び続ける。

もう、一回のミスは許されない。「もう一回」は無いから。

だから、僕は大人になりたくない。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい