短編だし、小豆洗いに言及したら、ネタバレ警報が直ぐに鳴りますよ。だから、作品について細々とは書きません。でも、冒頭から妙な気分になりますよ。前置きが長いなぁって。短編にはMAX2つが信条なんですが、星3つ付けました。余談ながら、作品中に登場する「那由多」に引っ掛かりました。若い頃に読んだ漫画のタイトルにナユタってのが有ったなぁ。それは「那由他」。「那由多」の方はプレステゲームの主人公ですね。今は何でもネットで調べられるし、便利な世の中になりましたわ。
小豆洗いは妖怪の中でも比較的無害なイメージだ。ある地域によっては縁起の良い妖怪であり、恐ろしさとは無縁である。ところで、あなたの日常に見えぬ場所に妖怪が潜んでいない保障はあるだろうか?あなたが手に取ったその総菜、実は妖怪が作ったものかも知れませんよ。
まず、設定がとても細やかに作られています。小さな村で唯一のスーパーにてバイトするナヨ太君という変わった名前の高校生の日常のひとこまが描かれています。あれ?冒頭やタイトルの小豆洗いは?と思うとラストにどんでん返しがあります。クスリとくる作品です。
これ! これっっっ!なんかね、凝ってるの。村の人たちの背景とかね。スーパーでの攻防とかね。細かいの。それがね……いきなりひっくり返されるの!やられたよ、オイラは。完敗だよ。次にやられるのはあなただ!
川を境に、東西に分かれた村。それぞれに住んでいる人達は、互いの事を見下し、あるいは鼻持ちならない位奴と怒りを覚え、決して表立った対立はしないものの、心の中でははっきりと溝が出来ていた。なんだかタイトルの小豆洗いがなかなか出てきませんね。でも大丈夫、最後にどんでん返しがあるのです。