第4話
教室を出てトイレへ向かう…
別にしたい訳じゃ無かったけど、小椋さんから1番遠い所へ行くには男子トイレしかないと思った…
ガチャ
ギーッ
嫌な音がする…
なんで公共のトイレは汚いのだろうか…
ついでだから言わせてもらうが、女子よ…
男子だからって個室がいつも空いている訳じゃない…
そりゃまあ、学校でヤりたいやつはいるだろうし、ソレを否定したりなんかはしない…
別にいいと思う…
個人の自由だ…
だから、俺だって人と関わりたくないときにはよく個室トイレを使う…
ヤっている訳じゃないが…
ただ…
今回ばかりはそうはいかなかった…
先客がいた…
しかもヤっている奴が…
中から聞こえてくるのだ…
『ンッ、ンッ』
っていう声が…
生憎、今トイレにいるのは俺とコイツだけ…
ハァ…
気まずくなって俺はトイレを出る…
ハァ…
教室に戻れば、また小椋さんのマシンガントークに付き合わされるのか…
そう思うと涙が出そうになった…
「あれ?同じクラスの…」
声をかけられて顔を上げる…
君だった…
ちょうど隣の女子トイレから出てきたのだろう…
ピンク色のハンカチで手を拭きながら、ニコニコ笑ってている…
「君、えっと…ひとみの隣の席の…」
「そうだけど?」
「名前なんてったっけ?く…?」
「楠田…」
「そう!楠田くん!早く戻ろ?先生来ちゃう」
「…あぁ」
そう言いながらハンカチをポケットにしまって走りだした君…
そう、初めて話したのはこれ…
君と俺の最初の会話。
君のすべてを今ここに 晴希 @haruuuki
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