日出づる
尾巻屋
日出づる
夜のとばりを剥がした太陽が、紅潮した頬を涼ませながら、朝の到来を唄う。
昨晩の闇が取り払われ、地面に崩れた縄の結び目が朝日に照らされる。
涙を口角に伝わせ、喉の奥から嗚咽が漏れる。
熱くて苦いものが、甘くて冷たいものが、胸から出て行く。
鳥のさえずり、人の営み。自動車、電車の走行音。
いじけた黄金の光の中に、全てが蕩けて混ざり合う。
顔を上げると、そこには抜けるような青空が、僕のちっぽけさを笑っていた。
日出づる 尾巻屋 @ruthless_novel
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます