終章

 そして、彼女は、”鉄拳凶女”から、”鉄拳侠女”へと変わった。

 ”キープ・ムービング・フォワード”。前へと進み続け、成長した少女は、この街にもいた。


 「(※サンの台詞)」

 「それに、英語も少しはうまくなった」

 僕が言うと、孫は肩をすくめてみせた。まるで、西洋人みたいに。


 「これからどうするんだ?」

 「学校生活を始めるよ、今度こそね」

 街のことは知った。でも、まだこの街に住む人々と一人一人向き合うだけの時間は取れていない。

 「君は?」

 僕が尋ね返すと、彼女は空を見上げた。

 「どうするかな。裏の仕事は辞める以上、表の仕事を探さなくちゃならないだろう。住む場所も変えないと」

 なら、僕が言うことは一つだ。

 「僕と一緒に暮らそう。それから、仕事も一緒に探そう。僕も生活費を稼がないとならない」

 「特甲児童と、一緒にか?」

 「君とさ、サン」

 こちらに向き直って疑問を口にした彼女を、まっすぐに見つめる。

 反抗や敵対ではないとはいえ、きっとただ”抜ける”という行動だって、彼女がなにもなしには許されないだろう。僕には話していないけれど、今の住まいを出なくてはならないことも、その引き換えになったお金で手持ちがなくなったからだろう。

 だから、その借りを……。

 いや、そうじゃないか。

 「僕が、君と暮らしたいんだ」


 (※ラスト・シーン)

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鉄拳侠女(※未完) 破死竜 @hashiryu

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