大げさヒットマンは厨二病

第1話「お仕事、辛いぜ」



俺はこの音で朝、重たい目を開ける。この音は今日も俺を充分に休ませてくれない…。


(ジリリリリン…!ジリリリリリ…ン…)


「おい、なってるぞ、いい加減起きろ。昼だぞ?」

ふ…また新しい目覚ましが出てきちまったな…。

こいつは俺のダチ、そして仲間の…

ピストル「いいから起きろって!おい!いつまでくだらねー寝言を語ってんだ?俺たち仕事依頼してんだからよ、」


え?仕事!?マジか!


ピストル「ああ、だから早く起きろ、一打。半年振りの仕事だからな」


一打「お、オゥ!」

(ん?待てよ…)

「ピストル、お前さっき俺たちが仕事依頼してるって言ったよな…?」

ピストル「ああ。そりゃそうだろ、半年も依頼人なんて出てこねぇんだからよ。」

一打「じゃあ、俺らは何しにいくんだ…?」


ピストル「バイトだよ。」

―工事現場―

作業員「おーい!何やってんだ若いの!楽して稼げるとおもうなよー!」


ピストル「はい!」一打(畜生…。)「な、なぁそんなに生活辛いのかい?ピストルくん…。だったらいっそ辞めようか、悪者退治屋さんなんて…」

ピストル「阿呆ッ!今さら何言ってんだ!それを続けるために活動資金を集めるんじゃないか」


一打「で、でもよ…」

ピストル「戯れ言何て聞きたかないね、頑張らないやつには神様は金を降らせないんだ。だから頑張れ!」一打「へぇへぇ、わあったよ…」


一ヶ月後…。


工場長「えーでは、今月の給料だ!順に渡してくぞー。」

ピストル「…おい、しっかりしろ、大丈夫か?」

一打「だ…大丈夫、大丈夫…、ただよ…、ろくに物を食べてねーから…ちょっと目の前がパァーとふわふわしてな…前にいる先輩の頭が上手そうで…。」


工場長「次!ピストル!」ピストル「はい!」工場長「新人にしちゃあ頑張ったな!ほれ、今月分だ。」ピストル「ありがとうございます!」

工場長「次、一打!前に来い!」

ピストル「おい!呼ばれてるぞ、一打!」一打「あぁ…ケーキ食べたいな…死ぬほど食べたいなぁ…生クリームがたっぷりの果実が乗っかって、甘くてふわふわのホールのやつ…」

工場長「一打ァ!」一打「はいぃ?」工場長「来い!給料やらねぇぞ?」

「ほれ、今月分。ケーキ1ホールは食えるだろ。」

一打「工場長ォ~…」

工場長(い?!こいつ泣いてんのか…!?)

一打「ありがとうございますぅ~…!」工場長「あ、あぁご苦労!さ、戻れ!」一打「はいぃ~」工場長「ったく…。来月も頼むぞ!お疲れさん!」


一同(ありがとうございました!)


ピストル「大丈夫か?…おーい。一打く~ん?生きてますか~?」一打「寝かしてくれ…頼むから…。出来ることなら永遠に寝たい…。」


チャカッ!


DON!!(銃声)


一打「こ、鼓膜が…」


ピストル「本業忘れんなよ!一打!」

一打「は、はいぃ…。」

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